Wi-Fi インフラストラクチャの機能

Android Wi-Fi フレームワークにより、ユーザーはネットワークが利用可能かつ必要なときに、良好な Wi-Fi ネットワークに接続できます。Android は次の 2 つの方法でこれを実現します。

  • Wi-Fi を自動的に ON にする: 以前に保存されたネットワークの近くにユーザーがいる場合、Wi-Fi を再度有効にします
  • 利用可能なパブリック ネットワークを通知する: 利用可能で良好なオープン Wi-Fi ネットワークをユーザーに通知します

上記の機能は AOSP コードで実装されているため、ユーザーが明示的に有効化または構成する必要はありません。

Wi‑Fi を自動的に ON にする

ユーザーがさまざまな理由(接続先のネットワークの品質が良くないなど)で Wi-Fi を無効にし、帰宅した際に Wi-Fi を再度有効にすることを忘れてしまい、利便性の低下に直面する経験(スマートホーム デバイスを制御できないなど)につながることがあります。Android 9 で導入された [Wi-Fi を自動的に ON にする] 機能は、保存済み(過去にユーザーが明示的に接続している)かつ十分に高い RSSI を持つネットワークがデバイスの近くにある場合に、常に Wi-Fi を自動的に再有効化することでこの問題を解決します。

ユーザーは設定アプリを使用して次のように操作すると、この機能を有効または無効にできます。

[設定] > [ネットワークとインターネット] > [Wi-Fi] > [Wi-Fi 設定] > [Wi-Fi を自動的に ON にする]

[Wi-Fi を自動的に ON にする] 機能
図 1. [Wi-Fi を自動的に ON にする] 機能

(場所の特定のために)この機能を使用するには、Wi-Fi スキャンを有効にする必要があります。Wi-Fi スキャンが有効になっていない場合、Wi-Fi スキャンを有効にする権限がユーザーに求められます。 Wi-Fi 接続を再有効化する条件を満たしている Wi-Fi ネットワークの近くにデバイスがあるかどうかを調べるためにスキャン結果が使用されるため、Wi-Fi スキャンが必要となります。

この機能は、保存済みの Wi-Fi が十分な品質であるとデバイスが判断した場合であっても、ユーザーが無効にした Wi-Fi を直後に再有効化することを回避します。たとえば、オフィスにいるユーザーがオフィスの Wi-Fi(保存済みネットワーク)に接続した後で Wi-Fi を無効にすると、再有効化の条件を満たす他の保存済みネットワークがある場所にユーザーが移動するまで、Wi-Fi は再有効化されません。

利用可能なパブリック ネットワークを通知する

[オープン ネットワークの通知] 機能は、次の場合にユーザーに通知を送信します。

  • Wi-Fi が有効になっている
  • デバイスが Wi-Fi ネットワークに接続されていない
  • オープンで十分に RSSI が高い(内部の Wi-Fi 選択アルゴリズムで使用されるものと同じ RSSI しきい値)Wi-Fi ネットワークが利用可能

ユーザーは設定アプリを使用して次のように操作すると、この機能を有効または無効にできます。

[設定] > [ネットワークとインターネット] > [インターネット] > [ネットワーク設定] > [利用可能なパブリック ネットワークを通知する]

[利用可能なパブリック ネットワークを通知する] 機能
図 2. [利用可能なパブリック ネットワークを通知する] 機能