ラックマウント型センサー フュージョン コントローラの組み立て

このページでは、ラックマウント型センサー フュージョン テスト装置用のコントローラ ルーティング基板の組み立て方法を説明します。センサー フュージョン テストは、互換性テストスイート(CTS)の中にあるカメラ画像テストスイート(Camera ITS)の一部です。ラボ環境など、単一のホストで複数のセンサー フュージョン装置を制御する場合に、ラックマウント型センサー フュージョン コントローラが使用されます。

ラックマウント型センサー フュージョン コントローラの概要

センサー フュージョン テスト装置

センサー フュージョン テスト装置は、スマートフォンに決まった動きを与え、再現性の高いテストを実現します。スマートフォンがさまざまな位置で画像をキャプチャできるように、スマートフォンをターゲットの前で回転させます。

テスト装置は、カメラを中心にしてスマートフォンを 90 度回転させ、約 2 秒以内に元の位置に戻します。図 1 は、センサー フュージョン テスト装置内で回転するスマートフォンです。

テスト装置内でのスマートフォンの動き

図 1. テスト装置内でのスマートフォンの動き

サーボモーター制御

テスト装置のアナログ サーボモーターは、パルス幅変調(PWM)を使用して位置サーボを制御します。一般的な位置制御の例を図 2 に示します。制御信号の周期は 20 ミリ秒です。パルス幅を最小にすると、モーターは中立の位置に回転し、最大にすると反時計回りに 90 度の位置に回転します。

サーボ制御の説明

図 2. 一般的なサーボ制御の説明

センサー フュージョン コントローラの実装

ホストからサーボモーターの動きを制御するには、センサー フュージョン テスト装置に USB 接続が必要です。テスト装置のコントローラは、USB 接続された CanaKit UK1104 リレーボードを使用します。このリレーボードには 4 つのリレー出力があります。リレーボードの出力は、SparkFun WIG-13118 サーボトリガーに接続されています。CanaKit ボードを図 3 に、SparkFun ボードを図 4 に示します。CanaKit ボードは 12 V の外部電源で動作します。SparkFun のサーボトリガーは、サーボモーターが 5 V 電源を使用するため、5 V 電源のボードとなっています。SparkFun のサーボトリガーにより滑らかな動きが実現されます。

CanaKit UK1104 USB リレー コントローラの上面

図 3. CanaKit UK1104 USB リレー コントローラ(上面)

SparkFun WIG-13118 サーボ コントローラの上面

図 4. SparkFun WIG-13118 サーボ コントローラ(上面)

センサー フュージョン コントローラの組み立てには、2 つのボードを接続するはんだ付け配線が使用されます。回路図を図 5 に示します。4 本の配線が手作業ではんだ付けされ、1 系統のサーボ制御出力がチャネル 1 にあてられます。SparkFun のサーボ コントローラに必要な 5 V の VCC は、CanaKit の 12 V - 5 V レギュレータから供給されます。配線が単純なため、高い歩留まりが得られます。

センサー フュージョン コントローラ

図 5. センサー フュージョン コントローラ rev 1、単独のセンサー フュージョン ボックス コントローラ

ラックマウント型センサー フュージョン コントローラ

ラックマウントにすることで、1 つのホストで複数のテスト装置を制御できるため、ラボでのコストを削減できます。既存の CanaKit のリレーボードでは、最大 4 つのサーボトリガーを制御できます。ラックマウントでは、外部レギュレータとバイパス コンデンサを追加して、追加のサーボトリガーによる電流負荷に対応します。図 6 に回路図を示します。図 5 のシングル チャネルのセンサー フュージョン コントローラとは異なり、ラックマウント コントローラでは、サーボトリガー間の VCC / GND 接続に加えて、10 本以上の配線が必要となります。これは手配線で行うこともできますが、組み立てプロセスで間違いが発生しやすくなります。その代わりに、ラックマウントではカスタムのルーティング基板を使用します。

センサー フュージョン ルーティング PCB

組み立て時間を短縮し、歩留まりを向上させ、再加工を簡単にするために、カスタムのプリント基板(PCB)で 2 つのボード間の相互接続の引き回しを行い、実装用の基材とします。ルーティング PCB を相互接続に使用すると、最終システムをスタンドオフと一緒にねじ留めすることにより、破壊せずに分解できるようになります。

オープンソースのオンライン PCB 設計ツールで設計された 2 層のルーティング基板が、https://easyeda.com/portmannc/sensor_fusion から入手できます。

ボードのサイズはおよそ 4.0x2.2 インチです。これは CanaKit ボードとほぼ同じサイズです。機械的な安定性のため、厚さ 1.6 mm の基板をおすすめします。

ラックマウント型センサー フュージョン コントローラ

図 6: ラックマウント型センサー フュージョン コントローラ

ルーティング基板は、CanaKit リレー コントローラと SparkFun サーボ コントローラの間に挟むように設計されています。ルーティング基板の底面を図 7 に示します。シルク スクリーン印刷は白で、内部の引き回しは薄い緑です。それぞれの隅の近くに白で囲った穴があります。これは CanaKit ボードの穴に合わせて取り付ける穴です。電源レギュレータとキャパシタのシルク印刷を確認してください。レギュレータ用のキャパシタである C1 と C2 は、LM1084 のデータシートに記載されている 10 uF タンタル コンデンサです。12V 電源は、ボード上のレギュレータによって +5 V、VCC に降圧されます。(レギュレータの出力電流は最大 390 mA であり、レギュレータ下の基板の表裏にパターンがあるため、ヒートシンクは不要です。)

4 系統のリレー出力である、NO[1:4]、COM[1:4] の接続はボードの底面にあります。また、CanaKit ボードからサーボ コントローラ ボードへのメイン GND の接続は、ボード上面の中央にあります。下の CanaKit UK1104 ボードに接続するために、ラベルがある穴すべてにメスのヘッダーを実装してください。

センサー フュージョン ルーティング基板 rev1.1 底面

図 7. センサー フュージョン ルーティング基板 rev 1.1、トレースと電源回路(底面)

センサー フュージョン ルーティング基板の上面を図 8 に示します。WIG-13118 サーボトリガー ボード用のシルク印刷と穴があります。各サーボトリガー ボード用に 4 つずつ穴がありますが、必要なスタンドオフは 1 つのサーボトリガーに 2 本だけです(白の円で囲んでいます)。VCC と GND は各サーボトリガーに別々に配線されるため、必要に応じてサーボトリガーを 4 つまで実装できます。左側にラックマウント型センサー フュージョン コントローラには不要な 2 つのコネクタ用のシルク印刷があります。

センサー フュージョン ルーティング基板 rev1.1 上面

図 8. センサー フュージョン ルーティング基板 rev 1.1、パターン(上面)

ラックマウント型センサー フュージョン コントローラの組み立て

部品表(BOM)

数量 説明 品番 / リンク
1 厚さ 1.6 mm のセンサー フュージョン ルーティング基板 https://easyeda.com/portmannc/sensor_fusion
4 SparkFun WIG-13118 サーボトリガー https://www.sparkfun.com/products/13118
1 CanaKit UK1104 リレー コントローラ https://www.canakit.com/4-port-usb-relay-controller.html
1 Texas Instruments LM1084 5 V、5 A LDO レギュレータ http://www.ti.com/lit/ds/symlink/lm1084.pdf
2 16 V、10%、10 μF タンタル コンデンサ TAP106K016CRS
5 1x3x、100 ミル(2.54 mm)ピッチ、スルーホール メスヘッダー 952-1784-ND
8 1x2x、100 ミル(2.54 mm)ピッチ、スルーホール メスヘッダー 952-1776-ND
10 1x3x、100 ミル(2.54 mm)ピッチ、スルーホール オスヘッダー、4 つはセンターピンを外して 200 ミル(5.08 mm)ピッチにする 952-3308-ND
9 1x2x、100 ミル(2.54 mm)ピッチ、スルーホール オスヘッダー 952-3308-ND
12 11 mm メス - メス スタンドオフ(幅 5 mm、M3-0.5 ねじ) R30-1001102
4 16 mm オス - メス スタンドオフ(幅 5 mm、M3-0.5 ねじ) R30-3001602
20 M3-0.5、6 mm ねじ 36-9191-3-ND

その他の必要なツール

  • はんだごて、はんだ、はんだ吸い取り器
  • 小型プラスドライバ
  • ラジオペンチ
  • カッターナイフ
  • 精密ドリルビット: 1/32 インチ(0.8 mm)、または #67 ゲージ

その他のリソース

次の zip ファイルをダウンロードできます。

ルーティング基板への部品実装

ルーティング基板の上面に、上の WIG-13118 ボードを接続する 2 ピン メスヘッダーを取り付けます。各 VCC / GND ペアと IN[1:4] / GND ペアに 2 ピン メスヘッダーが必要です。基板の底面には、各 NO[1:4] / GND ペアに 3 ピン メスヘッダーが、POWER と GND の穴に 1 つの 3 ピン メスヘッダーが必要です。さらに、レギュレータとコンデンサを挿入します。図 9 に、部品実装済みの基板を横から見た概念図を示します。

部品実装済みのルーティング基板の側面図

図 9. メスヘッダー、レギュレータ、コンデンサが実装されたルーティング基板(横から見た概念図)

ルーティング基板の画像を図 10(上面)と図 11(底面)に示します。

部品実装済みの基板(上面)

図 10. 部品実装済みのルーティング基板 rev 1.1(上面)

部品実装済みのルーティング基板(底面)

図 11. 部品実装済みルーティング基板 rev 1.1(底面)

CanaKit と SparkFun のサーボボードを組み立てる準備

CanaKit をルーティング基板に接続するには、CanaKit ボードを再加工する必要があります。以下の加工が必要です。

  • NO[1:4] と COM[1:4] では、上面の青色の端子を取り外し、底面にオスヘッダーを追加します。ヘッダーは 200 ミルの間隔を使用しているため、3 本の 100 ミルのヘッダーを中央のコネクタを抜いて使用できます。
  • VCC_12 では、上面の 3 ピン オスヘッダーを取り外し、底面に新しいヘッダーを取り付けます。ジャンパーは使用しません。
  • GND では、上面の 8 ピン直角オスヘッダーを取り外し、底面に 3 本のストレート オスヘッダーを取り付けます。
  • 4 本の 16 mm オス - メスのスタンドオフを、4 本の 11 mm メス - メスのスタンドオフをオス側に刺して取り付けます。16 mm のスタンドオフは、CanaKit ボードの上面にある必要があります。上面には全部品が実装されています。

図 12 に、コネクタの取り外しとオス ヘッダーピンの取り付けを行う場所を示します。

CanaKit UK1104 ボードの底面

図 12. CanaKit UK1104 ボード、緑色が取り外す箇所、黄色がオスヘッダーを取り付ける箇所(底面)

VCC_12 と GND の箇所のはんだを除去した後、正しくはんだが流れて導通するようにヘッダーピンの開口部に下準備を施します。推奨サイズのドリルビットを使用して穴の余分なはんだを除去し、穴の開口部をきれいにします。大きいサイズのものは穴の内側のメッキに損傷を与えるため使用しないでください。NO[1:4] ピンと COM[1:4] ピンのための穴は、0.6 mm のヘッダーポストではなく、ねじ止めコネクタの 1 mm ポスト用の穴であるため、穴開けは不要です。CanaKit ボードの図 12 に黄色で示した開口部のすべてには、底面にのみレジスト開口部があります。ボードを裏返して積み重ねるので、適切にはんだ付けできるように、上面で穴の周囲のレジストを削る必要があります。カッターナイフを使用して、穴の周囲のレジストをはがし、パターンを露出させます。

図 13 は、ボード上面にある電源ジャンパーの穴のレジストをはがした部分の接写です。再加工が終わったボードを図 14 に示します。

取り外した電源ジャンパーの上面の接写

図 13. 電源ジャンパーを外して、レジストをはがした部分の接写

再加工が終わってスタンドオフを取り付けたボード

図 14. 再加工が終わってスタンドオフを取り付けたボード

CanaKit ボードとルーティング基板の嵌合を容易にするために、オスのヘッダーピンをルーティング基板のメスのヘッダーに挿入し、CanaKit ボードにすべての部品を実装してから、CanaKit ボードのヘッダーをはんだ付けします。これにより、オスヘッダーの傾きが減り、組み立てが簡単になります。

組み立て中に正しく位置合わせするため、各ボードを最終的な配置で組み立てた状態で、CanaKit ボードのオスヘッダーをはんだ付けします。図 15 に WIG-13118 ボードへのオス ヘッダーピンのはんだ付け箇所を示します。次のボード加工が必要です。

  • IN / GND および VCC / GND: ルーティング基板への接続用に、オス 2 ピンヘッダーを底面にはんだ付けします。
  • SIG / VCC / GND: モーターへの接続用に、オス 3 ピンヘッダーを上面にはんだ付けします。

SparkFun WIG-13118

図 15. (a)SparkFun WIG-13118 のヘッダーをはんだ付けする箇所(上面)。(b)正しい場所にはんだ付けされたオスヘッダー(概念的な端面図)

最終組み立て

最終組み立てでは、機械的に支持するためのスペーサーを各ボードで挟みます。ルーティング基板には、WIG-13118 ボードを底面からねじで固定して上向きで取り付けるための、8 本の 11 mm メス - メス スタンドオフがあります。最初に 11 mm のスタンドオフを固定します。これは、ルーティング基板を CanaKit ボードの上面に取り付けると、ルーティング基板の底面に手が届かなくなるためです。

ルーティング基板を CanaKit ボードに取り付けるため、図 16 に示すように、ルーティング基板を CanaKit ボードにはめ込み、四隅を M3 ねじで固定します。

CanaKit リレーボードに実装されたルーティング基板

図 16. CanaKit リレーボードに実装されたルーティング基板

SparkFun サーボトリガーを所定の位置にはめ込み、ねじを締めます。図 17 は、完全に組み立てられたシステムを示しています。図 18 は、組み立て済みのシステムの側面図です。図 19 はコントローラ エンクロージャの機械製図、図 20 はエンクロージャ内の組み立て済みシステムを示しています。

組み立て済みのシステムの上面 / 正面図

図 17. 組み立て済みシステム(上面 / 正面図)

積み重ねたボードの側面図

図 18. 組み立て済みのシステム(側面図)

コントローラ エンクロージャの機械製図

図 19. コントローラ エンクロージャの機械製図

エンクロージャ内の組み立て済みのコントローラ

図 20: エンクロージャ内の組み立て済みのシステム