このページでは、2021 年 10 月 4 日に一般公開された Android Automotive OS 12 の主な新機能の概要を説明します。各機能の詳細については、新機能をご覧ください。
機能
プラットフォーム: システム電源、パフォーマンス、クラスタ
- 64 ビットビルドについて。 64 ビット専用の Android システムについて説明します。
- 電源ポリシー。電源状態とポリシーを定義する API(ネイティブ サービス)を提供します。この機能により、OEM はオンの状態をカスタマイズできます。
- クラスタ スタック II。OEM 側の作業を削減するようクラスタ スタックを改善しました。
システム ユーザー インターフェースと、コアアプリの改善
- ロータリー コントローラ。 電話、メディア、設定などのシステムアプリを含むフロントエンドの AAOS エクスペリエンスを、4 方向のナッジ、時計回りと反時計回りの回転、選択をサポートするロータリー コントローラで完全に操作できるようになりました。OEM が提供するロータリー対応の IME の場合、追加の IME 統合も利用できます。
- ショート メッセージ サービス(SMS)v2。メッセージ履歴とメッセージ作成 UI を備えたリファレンス SMS 2 アプリが提供されました。
- ヘッドアップ通知(HUN)。 デフォルトでは、HUN は時系列順に並べられます。ただし HUN によっては他よりも重要なものや緊急性の高いものもあるため(たとえば自動車の緊急事態はメッセージよりも重要)、この機能により、HUN に優先順位を付けることができます。
- ユーザー インターフェース(UI):
- AOSP リファレンス ランチャーがランチャー 2 に置き換えられました。
- システム UI プルーフィング。
- プライバシー:
- マイク インジケーターにより、マイクがオンになっていることがわかりやすくなりました。
- 90 日を超えて表示されているアプリは、自動的に休止状態に指定されます。
- アプリがマイクにアクセスしようとすると、マイクの切り替え通知が有効になります。インジケーターを操作すると、「最近の使用」ダイアログに、マイクに最近アクセスしたアプリが表示されます。
- 設定アプリのデザイン見直し。大きく幅の広い画面に対応するために 2 列構成を設定できるようにしたことで、ユーザビリティとスケーラビリティが向上しました。主な設定がアクセスしやすく、見つけやすくなるよう刷新した情報アーキテクチャを組み込みました。
- Toasts API。Toasts API にアクセスできるのは、システムアプリのみです。
ユーザー管理
- リモート ユーザー管理。リモート管理のユースケースで Android ユーザーを作成、削除するための新しい API をご利用いただけます。これらの API は AAOS UX 制限エンジンと統合されており、こうした操作がリモートで(ウェブ上や電話アプリなどで)行われた場合は車両の運転状態が考慮されます。リモートでのユーザーのロックについては、既存の DevicePolicyManager API を UX 制限エンジンと統合しています。
Bluetooth
- Bluetooth 再接続のパフォーマンス向上。適切な状況下で、デバイスに自動的に接続する頻度が高くなりました。たとえば、driver-in-seat など、VHAL イベントで再接続を開始します。
- メッセージ データベース。MAP を通じてメッセージ データベースを使用するためのサポートを追加し、Bluetooth に依存するメッセージ アプリの柔軟性を高めました。
接続
- アプリごとのネットワーク選択(PANS)。
OEM_PAID
ネットワークを使用できるアプリを決定する動的ネットワーク ポリシーの作成と適用が可能になります。 - デュアル STA。車載インフォテインメント(IVI)システムによる、OEM 用途で制限された Wi-Fi ネットワークへの接続と、別の Wi-Fi ネットワークへの接続が同時に可能になります。
音声
- オーディオ ダッキング信号。Hardware Abstraction Layer(HAL)に、音声フォーカス状態と、音量を下げる出力デバイスに関する情報を提供します。
- 音量の改善。アクティブな音量グループを取得するための API の提供など、さらに細かい音量制御が可能になります。
- 音量グループごとのミュート。音量グループごとのミュートが可能になり、ミュート状態に関する HAL と UI の通信が強化されます。
カメラ
CarEvsManager
。自動車カメラサービスのプレビューを表示する Android アクティビティを OEM が実装できるようにします。- 拡張ビューシステム(EVS)の統計情報。EVS サービスの使用状況とパフォーマンスの統計情報を収集します。
- サラウンド ビューの GPU アクセラレーション。GPU を最大限に活用することで、サラウンド ビュー合成のパフォーマンスが向上しました。
- サラウンド ビューのオンライン キャリブレーション。徐々に変化するカメラ位置に合わせてサラウンド ビュー画像を動的に調整し、自動車の寿命まで合成画質を維持します。
セキュリティ
- 車両バインド暗号化。 Android ストレージの暗号化に関して、一部の鍵暗号化パラメータを外部 ECU に保存するよう設定できるようになりました。これにより、自動車からヘッドユニットを取り外すことによるデータの収集を防止できます(盗難や解体の際に行われることがあります)。
- 安全な開発者向けオプション。Android 開発者向けオプションと ADB は、OEM のみがリモートで有効にできます。リファレンス実装は、暗号トークン アクセス メカニズムとリモート ウェブサービスを提供します。
センサー
- 自動時刻検出。 他のソースが利用できない場合は、全地球航法衛星システム(GNSS)から時刻を読み取ります。これにより、オフラインのときも自動車にタイムソースを確保できます。
- エミュレータでセンサーの再現と再生が可能になります。
テレメトリー
- エッジベースの分析機能。Android Automotive デバイスで、より多くのエッジベースの指標処理が可能になります。Lua プログラミング言語で記述されたスクリプトで Android のインフォテインメントと車両プロパティの指標を設定し、デバイス上で処理して、OEM が指定したバックエンドに送信できます。
車両の統合
- 温度制御。
HVAC_TEMPERATURE_VALUE_SUGGESTION
などの新しい属性により、暖房換気空調システムの温度の丸め処理と単位が有効になります。 - 車両プロパティの更新。複数の車両プロパティを一度に取得し設定する方法を提供することで開発フローを簡素化する API を追加しました。
- 車両 HAL インターフェースの固定。
ディスプレイと入力
- OEM カスタム入力。OEM 自動車向けのさまざまな入力を追加またはカスタマイズします。
設定アプリの更新
- UI と情報アーキテクチャの更新。設定アプリをバージョン 2 に更新しました。
その他の最新情報
PERMISSION_CONTROL_CAR_OCCUPANT_AWARENESS_SYSTEM
を非推奨にしました。- 設定ウィザードが Google Play に表示されるようになりました。
コンプライアンス
Android 12 では、CTS で次のテストが失敗することが判明しています。これらのテストに合格するには、パッチを Android 12 のコードに含めてください。これらのパッチは Android 12L でも利用可能です。
CtsPackageUninstallTestCases:android.packageinstaller.uninstall.cts.UninstallTest#testUninstall
CtsSharesheetTestCases:android.sharesheet.cts.CtsSharesheetDeviceTest
CtsPermission3TestCases
CtsAccessibilityServiceTestCases:android.accessibilityservice.cts.AccessibilityGestureDispatchTest#testClickAt_producesDownThenUp
CtsSecurityHostTestCases:android.security.cts.SELinuxHostTest
、CtsSecurityHostTestCases:android.security.cts.SELinuxNeverallowRulesTest
CtsWindowManagerDeviceTestCases
CtsAppTestCases:android.app.cts.UiModeManagerTest