コードネーム、タグ、ビルド番号

Android の開発版リリースは、お菓子の名前になぞらえたアルファベット順のコードネームを持つファミリーに分類されています。このページでは、プラットフォームのコードネーム、バージョン、API レベル、NDK リリースに関する情報を提供し、それぞれに関連付けられているビルド ID の定義について説明します。

ユースケースによっては、追加のコードネームとバージョンの詳細が必要になる場合があります。たとえば、flashboot モードで起動するには Android デバイスとコードネームのキーの組み合わせ、カーネルを手動でビルドするにはカーネルソースとカーネル バイナリが必要です。これらのトピックで必要な情報へのリンクは、ユースケース別のコードネーム リファレンスとリソース セクションにまとめられています。

• flashboot モードで起動するには、デバイスとそれに対応する Android デバイス コードネームのキーの組み合わせが必要です。
• 手動でビルドする必要があるカーネルには、カーネルソースとカーネル バイナリを取得するためのコードネームとそれに対応する場所が必要です。
• 複数の Git リポジトリをソースとするビルドには、ソースとビルドツールをダウンロードする正しいソース ディレクトリを設定するために、デバイスとコードネームのペア設定が必要です。

プラットフォームのコードネーム、バージョン、API レベル、NDK リリース

次の表に、コードネーム、対応するバージョン番号、関連する API レベルを示します。

ビルド ID の定義

Android 8.0.0（Oreo）以降では、それぞれのビルドは PVBB.YYMMDD.bbb[.Cn] のビルド ID 形式で識別されます。

• P はプラットフォーム リリースのコードネームの最初の文字を表します。たとえば、Oreo の場合は O と表示されます。
• V はサポート対象を表します。慣例として、P はプライマリ プラットフォーム ブランチを表します。
• BB は、英数字のコードで、Google がビルドの作成元のコードブランチを正確に識別できるようにします。
• YYMMDD には、リリースが開発ブランチから分岐された日付、または開発ブランチと同期した日付が指定されます。ただし、この日付は常にビルドが行われた正確な日付とは限りません。既存のビルドに若干の変更が追加された場合にも、同じ日付コードが使われることが一般的であるためです。
• bbb は、001 から始まる連続した数字で、同じ日付コードに属する個々のバージョンが指定されます。
• Cn は A1 から始まる英数字で、既存の PVBB.YYMMDD.bbb ビルドのホットフィックスが指定されます。省略が可能です。

以前の Android リリースでは、次に示すような短いビルド ID コード（たとえば、FRF85B）を使用していました。

• 最初の文字はリリース ファミリーのコードネームを示し、たとえば、Froyo の場合は F になります。
• 2 番目の文字はブランチコードで、これによって作成元ビルドの正確なコードブランチが区別できます。慣例として、R はプライマリ リリースのブランチを表します。
• 3 番目の文字とそれに続く 2 つの数字は日付コードです。文字によって四半期を表します（例: A は 2009 年の第 1 四半期、F は 2010 年の第 2 四半期）。2 つの数字によって四半期内の日数を表します（F85 は 2010 年 6 月 24 日です）。日付コードは、常にビルドが行われた正確な日付とは限りません。これは既存のビルドと同じ日付を再使用するように、マイナーなバリエーションが既存のビルドに組み込まれるのが一般的であるためです。
• 最後の文字は、A から始まる連続した文字で、同じ日付コードに属する個々のバージョンを区別します（明示が必須なものではなく、簡略化のために通常は省略されます）。

ソースコード タグとビルド

Donut 以降のタグとビルドの正確な一覧を、次の表に示します。ビルド ID には、プラットフォーム リリース、コードブランチ、リリースが分岐された日付、開発ブランチと同期した日付などの情報が含まれます。

froyo、gingerbread、ics-mr0、ics-mr1、jb-dev、jb-mr1-dev、jb-mr1.1-dev、jb-mr2-dev、kitkat-dev の各ブランチは、Google がテストした構成に完全に一致しない開発ブランチを示しています。つまり、これらのブランチには正式なタグ付きリリースにはない変更が含まれており、完全にテストされていない可能性があります。

次のコマンドを実行して 2 つのブランチタグを引数に取ることで、それぞれのプロジェクトに関連する変更点の一覧を取得して、リリースごとの違いを確認できます。

repo forall -pc 'git log --no-merges --oneline branch-1..branch-2'

次に例を示します。

repo forall -pc 'git log --no-merges --oneline android-4.4.2_r2..android-4.4.2_r1'

出力をテキスト ファイルに送信する方法は、次のとおりです。

  repo forall -pc 'git log --no-merges --oneline android-4.4.2_r2..android-4.4.2_r1' > /tmp/android-4.4.2_r2-android-4.4.2_r1-diff.txt

Honeycomb GPL モジュール

Honeycomb では、プラットフォームのソースコード全体は利用できません。ただし、GPL と LGPL のライセンスを付与されている部分については利用が可能で、次のタグが指定されています。

これらのモジュールをそのまま含んだマニフェストはありませんが、一部のマニフェストではこれらのコンポーネントのビルドが許可されています。3.0_r1.1 では、次のコマンドが使用できます。

repo init -b master -m base-for-3.0-gpl.xml
repo sync
repo forall -c git checkout android-3.0_r1.1

別のバージョンを使用するには、git checkout パラメータと（必要に応じて）repo init の -m パラメータを変更します。git checkout コマンドは、タグが見つからない場合に非 GPL プロジェクトのエラーを出力します。

ユースケース別のコードネーム リファレンスとリソース

下記のリソースは、特定の設定ユースケースをサポートするために必要なコードネーム情報の種類を示しています。

• （コールドブートを行っているデバイスから）Fastboot モードで起動する場合は、使用している Android デバイスに対応するキーの組み合わせが必要です。デバイスとそれに対応する Android デバイス コードネーム（たとえば、Nexus 5x のコードネームは Bullhead で、特定のキーの組み合わせを使用します）のリストを参照して必要なキーの組み合わせを取得するには、fastboot モードで起動するをご覧ください。
• ビルドが複数の Git リポジトリからのソースを必要とする場合は、repo アプローチを使用してソースとビルドツールをダウンロードします。そうすれば、ソース ディレクトリが正しく設定されます。必要なカーネルの BRANCH 名を取得するには、ソースとビルドツールをダウンロードするを参照して、デバイスとコードネームの組み合わせ（例: Google Pixel 5 と redfin）、AOSP ツリー内のバイナリパスと対応する repo ブランチの相互参照リストをご確認ください。