不適切な表現の回避

多様性を受容することは、Android の文化の中心であり、互いを尊重することが大切です。そのため、誰もが偏見や差別による悪影響を受けずに、寄与できることが重要になります。しかし、コードベース、ユーザー インターフェース、ドキュメントに使われる言葉に、こうした差別が残っていることがあります。このポリシーは、コード、インターフェース、ドキュメントに使われる不適切な用語に対処するためのガイダンスです。

ポリシー

中傷や、人を傷つける言葉、直接または間接を問わず差別につながる言葉は避けてください。これは、インクルーシブなドキュメントの作成に関する Google のガイダンスと一致します。

このポリシーの対象範囲

Android に寄与する人がその過程で読むすべてのものが対象で、以下が考えられますが、これらに限定されません。

  • 変数、タイプ、関数、ファイル、ビルドルール、バイナリ、エクスポート変数の各名前
  • テストデータ
  • システムの出力と表示
  • コメント、ドキュメント(ソースファイルの中と外の両方)
  • commit メッセージ

原則

  • 敬意を払う: 中傷する言葉は、仕組みを説明するのに必要ありません。
  • 文化的に適切な言葉を使う: 単語によっては歴史的または政治的な意味を持つことがあります。その点に注意して、別の言い方を使用するようにしてください。

特定の用語を使用できるかどうか確認する方法

上記の原則に当てはめます。ご不明な点がありましたら、android-community@googlegroups.com までお問い合わせください。

避けるべき用語の例

このリストはすべてを網羅するものではありません。頻繁に使用されるものをいくつか例として挙げています。

コメントに付加価値があるかどうかを検討することを常におすすめします。 コメントを完全に削除したほうが良いこともあります。たとえば、公開 API 向けのドキュメント コメントを書いているとしても、verify_header という関数の直前に「ヘッダーをサニティ チェック」というコメントを加えただけでは付加価値はありません。「範囲値を外れていないかどうかヘッダーをチェック」など、チェックする内容を具体的に指定してください。

用語 推奨される言い換え
マスター / スレーブ プライマリ / レプリカ、プライマリ / セカンダリ、リーダー / フォロワー、コントローラ / ディスパッチャ、マネージャ / ワーカー、ミクサー / リーフ、アグリゲータ / コレクタ、パブリッシャー / サブスクライバー、イニシエータ / レスポンダ
レッドライン 優先ライン、変更追跡、設計仕様、UI アノテーション、例外、異常、特殊ケース、置換リスト
ホワイトリスト 許可リスト、許可済み、登録リスト、安全リスト
ブラックリスト 拒否リスト、ブロック中、除外リスト、ブロックリスト
(ダーク / ライト)グレーリスト API の場合:
  • (グレーリスト)「SDK 以外の API リスト」、「非表示 API リスト」
  • (ダーク グレーリスト)「条件付きブロック」、最大目標 X(特定のリストに言及している場合)
  • (ライト グレーリスト)「非推奨」、「一時的」
まともじゃない、狂ってる、無能 ガイドラインについては、障害者への差別用語を避けるをご覧ください。
サニティ チェック たいていの場合は「チェック」という言葉だけで通じます。それ以外の場合は、検証、確認、クイック チェック、初期チェック、信頼性チェック、健全性チェック、較正チェック、対応状況チェックなどを検討してください。
ダミー 未使用、プレースホルダ、操作なし、ベース、フェイク / モック / スタブ
グランドファザリング 免除、既存、持ち越し、キャリーオーバー、ベースライン、レガシー
性の区別のある代名詞(彼、彼女など) ユーザー、お客様
Man-In-The-Middle(MITM) 中間者攻撃
(ブラック / ホワイト / グレー)ハット 倫理的 / 非倫理的
第一級オブジェクト コア機能、組み込み、トップレベル

このポリシーに違反しているものへの対応

この状況は、特に仕様をコード実装する場合に、何回か繰り返し発生します。そのような状況で、仕様の用語を言い換えると、実装に対する理解が妨げられる可能性があります。そうした場合のおすすめの方法を、以下に優先度の高いほうから紹介します。

  1. 別の用語を使用しても理解が妨げられない場合は、別の用語を使用します。
  2. インターフェースを実装するコードレイヤの外では使用しないようにします。必要に応じて、API 境界で別の用語を使用します。
  3. 言葉をご自身で修正できない場合は、該当するチームに問題をご報告ください