Android Automotive OS のアップデートに関する公開情報 - 2023 年 1 月

公開日: 2022 年 1 月 3 日

Android Automotive OS(AAOS)のアップデートに関する公開情報には、Android Automotive OS プラットフォームに影響を与えるセキュリティの脆弱性の詳細を掲載しています。AAOS のフル アップデートは、2023 年 1 月の Android のセキュリティに関する公開情報に掲載されているセキュリティ パッチレベル 2023-01-05 以降と、この公開情報に掲載されているすべての問題の修正が含まれています。

ご利用のデバイスにこのアップデートを適用することをすべてのユーザーにおすすめします。

下記の問題のうち最も重大度の高いものは、プラットフォーム アプリ コンポーネントに存在する重大度「高」のセキュリティ脆弱性です。これにより、追加の実行権限がなくてもローカルで権限が昇格されるおそれがあります。重大度の評価は、攻撃対象のデバイスでその脆弱性が悪用された場合の影響に基づいています。プラットフォームやサービスでのリスク軽減策が、開発目的または不正な回避策により無効となっていると仮定しています。

お知らせ

  • 2023 年 1 月の Android のセキュリティに関する公開情報に掲載されているセキュリティの脆弱性に加えて、2023 年 1 月の Android Automotive OS のアップデートに関する公開情報には、下記の AAOS の脆弱性に対するパッチも含まれています。

セキュリティ パッチレベル 2023-01-01 の脆弱性の詳細

パッチレベル 2023-01-01 に該当するセキュリティ脆弱性の各項目について、下記に詳細を説明します。脆弱性は、影響を受けるコンポーネントごとに分類しています。下記の表に、問題の内容について説明し、CVE ID、関連する参照先、脆弱性のタイプ重大度、更新対象の AOSP バージョン(該当する場合)を示します。該当する場合は、バグ ID の欄に、その問題に対処した一般公開されている変更(AOSP の変更の一覧など)へのリンクがあります。複数の変更が同じバグに関係する場合は、バグ ID の後に記載した番号に、追加の参照へのリンクを設定しています。Android 10 以降を搭載したデバイスは、セキュリティ アップデートと Google Play システム アップデートを受信することがあります。

メディア フレームワーク

メディア フレームワークの脆弱性により、追加の実行権限を必要とすることなく、ローカルで情報が漏えいするおそれがあります。

CVE 参照 タイプ 重大度 更新対象の AOSP バージョン
CVE-2022-20353 A-221041256 ID 10、11

プラットフォーム アプリ

カーネル コンポーネントの最も重大な脆弱性により、追加の実行権限を必要とすることなく、ローカルで権限を昇格されるおそれがあります。

CVE 参照 タイプ 重大度 更新対象の AOSP バージョン
CVE-2021-39738 A-216190509 EoP 10、11、12、12L
CVE-2022-20425 A-255830464 DoS 10、11

その他の脆弱性の詳細

以下に、開示目的で提供されるセキュリティ脆弱性の詳細を示します。これらの問題は SPL コンプライアンスには必要ありません。

プラットフォーム アプリ

CVE 参照 タイプ 重大度 更新対象の AOSP バージョン
CVE-2022-20213 A-183410508 DoS 10、11、12
CVE-2022-20215 A-183794206 DoS 10、11、12
CVE-2022-20214 A-183411210 EoP 10、11、12

システム UI

CVE 参照 タイプ 重大度 更新対象の AOSP バージョン
CVE-2022-20458 A-205567776 EoP 12L

カーネル コンポーネント

CVE 参照 タイプ 重大度 サブコンポーネント
CVE-2022-28389 A-228694270
アップストリーム カーネル
EoP USB CAN バスドライバ

一般的な質問と回答

上記の公開情報に対する一般的な質問とその回答は以下のとおりです。

1. 上記の問題に対処するようにデバイスが更新されているかどうかを確かめるには、どうすればよいですか?

デバイスのセキュリティ パッチレベルを確認する方法については、Google デバイスのアップデート スケジュールに記載されている手順をご覧ください。

  • セキュリティ パッチレベル 2023-01-01 以降では、セキュリティ パッチレベル 2023-01-01 に関連するすべての問題に対処しています。

デバイス メーカーは、こうしたアップデートを組み込む場合、パッチレベル文字列を以下のとおり設定する必要があります。

  • [ro.build.version.security_patch]:[2023-01-01]

Android 10 以降を搭載した一部のデバイスでは、Google Play システム アップデートに、セキュリティ パッチレベル 2023-01-01 と一致する日付文字列が含まれます。セキュリティ アップデートのインストール方法について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

2. 「タイプ」列の項目はどういう意味ですか?

脆弱性の詳細の表で「タイプ」列に記載した項目は、セキュリティの脆弱性の分類を示しています。

略語 定義
RCE リモートコード実行
EoP 権限昇格
ID 情報開示
DoS サービス拒否
なし 該当する分類なし

3. 「参照」列の項目はどういう意味ですか?

脆弱性の詳細の表で「参照」列に記載した項目には、その参照番号が属する組織を示す接頭辞が含まれる場合があります。

接頭辞 参照
A- Android バグ ID
QC- Qualcomm の参照番号
M- MediaTek の参照番号
N- NVIDIA の参照番号
B- Broadcom の参照番号
U- UNISOC の参照番号

4. 「参照」列の Android バグ ID の横にある「*」はどういう意味ですか?

公開されていない問題には、対応する参照 ID の横に「*」を付けています。この問題のアップデートは、Google デベロッパー サイトから入手できる Google Pixel 用最新バイナリ ドライバに通常含まれています。

5. セキュリティの脆弱性が、この公開情報とデバイスやパートナーのセキュリティに関する公開情報(Google Pixel のセキュリティに関する公開情報など)に分けられているのはなぜですか?

Android デバイスの最新のセキュリティ パッチレベルを宣言するためには、このセキュリティに関する公開情報に掲載されているセキュリティの脆弱性への対処が必要となります。それ以外の、デバイスやパートナーのセキュリティに関する公開情報に掲載されているセキュリティの脆弱性への対処は必須ではありません。また、Android デバイスやチップセットのメーカー(GoogleHuaweiLGEMotorolaNokiaSamsung など)からも、各社製品に固有のセキュリティの脆弱性に関する詳細情報が公開される場合があります。

6. この公開情報に 2 つのセキュリティ パッチレベルがあるのはなぜですか?

この公開情報では、2 つのセキュリティ パッチレベルを掲載しています。これは、すべての Android デバイスにまたがる同様の脆弱性をひとまとめにして、Android パートナーが迅速かつ柔軟に修正できるようにするためです。Android パートナーは、この公開情報に掲載されている問題をすべて修正し、最新のセキュリティ パッチレベルを使用することが推奨されています。

  • 2023-01-01 のセキュリティ パッチレベルを使用するデバイスには、そのセキュリティ パッチレベルに関連するすべての問題と、それ以前のセキュリティに関する公開情報で報告されたすべての問題の修正を含める必要があります。

パートナーは、対処するすべての問題の修正を 1 つのアップデートにまとめて提供することが推奨されています。

バージョン

バージョン 日付 メモ
1.0 2022 年 1 月 3 日 情報公開