Android のセキュリティに関する公開情報 - 2025 年 9 月

2025 年 9 月 2 日公開

Android のセキュリティに関する公開情報には、Android デバイスに影響を与えるセキュリティの脆弱性の詳細を掲載しています。セキュリティ パッチレベル 2025-09-05 以降では、以下のすべての問題に対処しています。端末のセキュリティ パッチレベルを確認する方法については、Android のバージョンを確認して更新するをご覧ください。

Android パートナーには、情報公開の 1 か月前までにすべての問題が通知されます。 下記の問題に対するソースコードのパッチは、これから 48 時間の間に Android オープンソース プロジェクト(AOSP)リポジトリにリリースされます。AOSP リンクが利用可能になり次第、この公開情報を改訂します。

以下の問題のうち最も重大度の高いものは、システム コンポーネントで発見された重大なセキュリティの脆弱性です。追加の実行権限がなくても、リモート(近接 / 隣接)からコードが実行されるおそれがあります。この脆弱性を悪用するためにユーザーの操作は必要ありません。重大度の評価は、攻撃対象のデバイスでその脆弱性が悪用された場合の影響に基づくもので、プラットフォームやサービスでのリスク軽減策が開発目的または不正な回避により無効となっていることを前提としています。

Android セキュリティ プラットフォームの保護や Google Play プロテクトについて詳しくは、Android と Google サービスでのリスク軽減策をご覧ください。こうした保護により、Android プラットフォームのセキュリティが改善されます。

Android と Google サービスでのリスク軽減策

ここでは、Android セキュリティ プラットフォームの保護と Google Play プロテクトのようなサービスの保護によるリスクの軽減について概説します。こうした機能は、Android でセキュリティの脆弱性が悪用される可能性を減らします。

  • Android プラットフォームの最新版での機能強化により、Android 上の多くの問題の悪用が困難になります。Google では、すべてのユーザーに対し、できる限り最新版の Android に更新することをおすすめしています。
  • Android セキュリティ チームは、Google Play プロテクトを使って脆弱性の悪用を積極的に監視しており、有害な可能性があるアプリについてユーザーに警告しています。Google Play プロテクトは、Google モバイル サービスを搭載したデバイスではデフォルトで有効になっており、Google Play 以外からアプリをインストールするユーザーにとっては特に重要です。

セキュリティ パッチレベル 2025-09-01 の脆弱性の詳細

以下に、パッチレベル 2025-09-01 に該当するセキュリティ脆弱性の各項目の詳細を示します。脆弱性は、影響を受けるコンポーネントごとに分類しています。下の表に、問題の内容について説明し、CVE ID、関連する参照先、脆弱性のタイプ重大度、更新対象の AOSP バージョン(該当する場合)を示します。該当する場合は、バグ ID の欄に、その問題に対処した一般公開されている変更(AOSP の変更の一覧など)へのリンクがあります。複数の変更が同じバグに関係する場合は、バグ ID の後に記載されている番号に、追加の参照へのリンクが設定されています。Android 10 以降を搭載したデバイスは、セキュリティ アップデートと Google Play システム アップデートを受信することがあります。

Android ランタイム

フレームワークの脆弱性により、追加の実行権限を必要とすることなく、ローカルで権限を昇格されるおそれがあります。この脆弱性を悪用するためにユーザーの操作は必要ありません。

CVE 参照 タイプ 重大度 更新対象の AOSP バージョン
CVE-2025-48543 A-421834866 EoP 13、14、15、16

フレームワーク

このセクションの最も重大な脆弱性により、追加の実行権限がなくても、ローカルで権限を昇格されるおそれがあります。この脆弱性を悪用するためにユーザーの操作は必要ありません。

CVE 参照 タイプ 重大度 更新対象の AOSP バージョン
CVE-2025-0089 A-378505461 EoP 13, 14, 15
CVE-2025-32324 A-406763872 EoP 15、16
CVE-2025-32325 A-402319736 EoP 13、14、15、16
CVE-2025-32331 A-404252173 EoP 15、16
CVE-2025-32349 A-408215749 EoP 13、14、15、16
CVE-2025-32350 A-404256832 EoP 14、15、16
CVE-2025-48522 A-418773283 EoP 13、14、15、16
CVE-2025-48528 A-384727394 EoP 15、16
CVE-2025-48540 A-416734088 EoP 13、14、15、16
CVE-2025-48546 A-388029380 EoP 13、14、15、16
CVE-2025-48548 A-293603271 EoP 13, 14, 15
CVE-2025-48549 A-325912429 EoP 13, 14, 15
CVE-2025-48552 A-365975561 EoP 13、14、15、16
CVE-2025-48553 A-384514657 EoP 13、14、15、16
CVE-2025-48556 A-419014146 EoP 15、16
CVE-2025-48558 A-380885270 EoP 13、14、15、16
CVE-2025-48563 A-401545800 EoP 13、14、15、16
CVE-2025-0076 A-366403307 ID 13, 14, 15
CVE-2025-32330 A-389127608 ID 13, 14, 15
CVE-2025-48529 A-325030433 ID 13、14、15、16
CVE-2025-48537 A-391894257 ID 13、14、15、16
CVE-2025-48545 A-397438392 ID 13、14、15、16
CVE-2025-48561 A-399120953 ID 13、14、15、16
CVE-2025-48562 A-423815728 ID 13、14、15、16
CVE-2025-48538 A-328182084 DoS 13、14、15、16
CVE-2025-48542 A-273501008 DoS 13、14、15、16
CVE-2025-48550 A-401256328 DoS 13、14、15、16
CVE-2025-48554 A-414603411 DoS 13、14、15、16
CVE-2025-48559 A-416491779 DoS 13、14、15、16

システム

システムの最も重大な脆弱性により、追加の実行権限がなくても、リモート(近接/隣接)でコードが実行されるおそれがあります。この脆弱性を悪用するためにユーザーの操作は必要ありません。

CVE 参照 タイプ 重大度 更新対象の AOSP バージョン
CVE-2025-48539 A-406785684 RCE 重大 15、16
CVE-2021-39810 A-212610736 EoP 13
CVE-2023-24023 A-255601934 EoP 13, 14, 15
CVE-2024-49714 A-271962784 EoP 13、14
CVE-2025-26454 A-299928772 EoP 13, 14, 15
CVE-2025-26464 A-392614489 EoP 15
CVE-2025-32321 A-378902342 EoP 13、14、15、16
CVE-2025-32323 A-397216537 EoP 13、14、15、16
CVE-2025-32326 A-365739560 EoP 13、14、15、16
CVE-2025-32327 A-389681152 EoP 14、15
CVE-2025-32333 A-409780975 EoP 14
CVE-2025-32345 A-409318132 EoP 15、16
CVE-2025-32346 A-337785563 EoP 16
CVE-2025-32347 A-388528350 EoP 13、14、15、16
CVE-2025-48523 A-388032224 EoP 13、14、15、16
CVE-2025-48526 A-407764858 EoP 13、14、15、16
CVE-2025-48531 A-389681530 EoP 13、14、15、16
CVE-2025-48532 A-417194323 EoP 16
CVE-2025-48535 A-353680402 EoP 13、14、15、16
CVE-2025-48541 A-411418366 EoP 13、14、15、16
CVE-2025-48544 A-415783046 EoP 13、14、15、16
CVE-2025-48547 A-419105158 EoP 13、14、15、16
CVE-2025-48581 A-428945391 EoP 16
CVE-2025-48527 A-378088320 ID 13、14、15、16
CVE-2025-48551 A-407991863 ID 13、14、15、16
CVE-2025-48560 A-419110583 ID 15、16
CVE-2025-48524 A-399885815 DoS 13、14、15、16
CVE-2025-48534 A-381419370 DoS 13, 14, 15

Widevine DRM

この脆弱性は Widevine DRM コンポーネントに影響を与えます。詳細については Widevine DRM から直接入手できます。この問題の重大度の評価は、Widevine DRM から直接提供されたものです。

CVE 参照 重大度 サブコンポーネント
CVE-2025-32332
A-319147124 * widevine

Google Play システム アップデート

プロジェクト Mainline のコンポーネントには次の問題が含まれています。

サブコンポーネント CVE
ART CVE-2025-48543
AppSearch CVE-2025-26464
Cell Broadcast CVE-2025-48534
Documents UI CVE-2025-32323
MediaProvider CVE-2025-32327、CVE-2025-48532、CVE-2025-48544
権限コントローラ CVE-2025-48547
Wi-Fi CVE-2025-48524

セキュリティ パッチレベル 2025-09-05 の脆弱性の詳細

以下に、パッチレベル 2025-09-05 に該当するセキュリティ脆弱性の各項目の詳細を示します。脆弱性は、影響を受けるコンポーネントごとに分類しています。下記の表に、問題の内容について説明し、CVE ID、関連する参照先、脆弱性のタイプ重大度、更新対象の AOSP バージョン(該当する場合)を示します。 問題の対処法として一般公開されている変更内容(AOSP の変更の一覧など)が参照可能な場合は、バグ ID の欄にその情報へのリンクがあります。 複数の変更が同じバグに関係する場合は、バグ ID の後に記載した番号に、追加の参照へのリンクを設定しています。

カーネル

システムの最も重大な脆弱性により、追加の実行権限がなくても、ローカルで権限を昇格されるおそれがあります。この脆弱性を悪用するためにユーザーの操作は必要ありません。
CVE 参照 タイプ 重大度 サブコンポーネント
CVE-2025-21755 A-396331793
アップストリーム カーネル [2] [3] [4] [5] [6]
EoP VMW VSOCK
CVE-2025-38352 A-425282960
アップストリーム カーネル [2]
EoP 時間
CVE-2025-021701 A-392852041
アップストリーム カーネル [2]
EoP ネット

Arm コンポーネント

これらの脆弱性は Arm コンポーネントに影響を与えます。詳細については Arm から直接入手できます。これらの問題の重大度の評価は、Arm から直接提供されたものです。

CVE 参照 重大度 サブコンポーネント
CVE-2024-7881
A-361573291 * CPU
CVE-2025-1246
A-402121892 * マリ
CVE-2025-3212
A-421179224 * Mali

Imagination Technologies

以下の脆弱性は Imagination Technologies コンポーネントに影響を与えます。詳細については Imagination Technologies から直接入手できます。問題の重大度の評価は、Imagination Technologies から直接提供されたものです。

CVE 参照 重大度 サブコンポーネント
CVE-2024-47898
A-381272949 * PowerVR-GPU
CVE-2024-47899
A-381279421 * PowerVR-GPU
CVE-2025-0467
A-382313133 * PowerVR-GPU
CVE-2025-1706
A-389976559 * PowerVR-GPU
CVE-2025-8109
A-383851764 * PowerVR-GPU
CVE-2025-25179
A-383186226 * PowerVR-GPU
CVE-2025-25180
A-383348101 * PowerVR-GPU
CVE-2025-46707
A-416682620 * PowerVR-GPU
CVE-2025-46708
A-416527351 * PowerVR-GPU
CVE-2025-46710
A-382329905 * PowerVR-GPU

MediaTek コンポーネント

これらの脆弱性は MediaTek コンポーネントに影響を与えます。詳細情報は MediaTek から直接入手できます。ここに示す問題の重大度の評価は、MediaTek から直接提供されたものです。

CVE 参照 重大度 サブコンポーネント
CVE-2025-20696
A-421781778
M-ALPS09915215 *
DA
CVE-2025-20704
A-429908205
M-MOLY01516959 *
モデム
CVE-2025-20708
A-429908202
M-MOLY01123853 *
モデム
CVE-2025-20703
A-429908203
M-MOLY01599794 *
モデム

Qualcomm コンポーネント

Qualcomm コンポーネントに影響する脆弱性は次のとおりです。詳細については、該当する Qualcomm のセキュリティに関する公開情報やセキュリティ アラートをご覧ください。これらの問題の重大度の評価は、Qualcomm から直接提供されたものです。

CVE 参照 重大度 サブコンポーネント
CVE-2025-27042
A-409047250
QC-CR#3935673
動画
CVE-2025-27043
A-409047487
QC-CR#3935643
セキュリティ
CVE-2025-27056
A-409047405
QC-CR#4005840
カーネル
CVE-2025-27057
A-409047176
QC-CR#4009252
WLAN
CVE-2025-27061
A-409047527
QC-CR#3947576
動画

Qualcomm クローズドソース コンポーネント

下記の脆弱性は Qualcomm クローズドソース コンポーネントに影響を与えます。詳細については、該当する Qualcomm のセキュリティに関する公開情報やセキュリティ アラートをご覧ください。これらの問題の重大度の評価は、Qualcomm から直接提供されたものです。

CVE 参照 重大度 サブコンポーネント
CVE-2025-21450
A-388047924 * 重大 クローズドソース コンポーネント
CVE-2025-21483
A-400449682 * 重大 クローズドソース コンポーネント
CVE-2025-27034
A-400449915 * 重大 クローズドソース コンポーネント
CVE-2025-21427
A-388048130 * クローズドソース コンポーネント
CVE-2025-21432
A-388048399 * クローズドソース コンポーネント
CVE-2025-21433
A-388048557 * クローズドソース コンポーネント
CVE-2025-21446
A-388047809 * クローズドソース コンポーネント
CVE-2025-21449
A-388047515 * クローズドソース コンポーネント
CVE-2025-21454
A-394100848 * クローズドソース コンポーネント
CVE-2025-21464
A-394100533 * クローズドソース コンポーネント
CVE-2025-21465
A-394099456 * クローズドソース コンポーネント
CVE-2025-21477
A-394100233 * クローズドソース コンポーネント
CVE-2025-21481
A-400450230 * クローズドソース コンポーネント
CVE-2025-21482
A-400449894 * クローズドソース コンポーネント
CVE-2025-21484
A-400449949 * クローズドソース コンポーネント
CVE-2025-21487
A-400449501 * クローズドソース コンポーネント
CVE-2025-21488
A-400450092 * クローズドソース コンポーネント
CVE-2025-27032
A-400449519 * クローズドソース コンポーネント
CVE-2025-27052
A-409039825 * クローズドソース コンポーネント
CVE-2025-27065
A-415772924 * クローズドソース コンポーネント
CVE-2025-27066
A-415773002 * クローズドソース コンポーネント
CVE-2025-27073
A-415773576 * クローズドソース コンポーネント
CVE-2025-47317
A-421905408 * クローズドソース コンポーネント
CVE-2025-47318
A-421905743 * クローズドソース コンポーネント
CVE-2025-47326
A-421904339 * クローズドソース コンポーネント
CVE-2025-47328
A-421905306 * クローズドソース コンポーネント
CVE-2025-47329
A-421905175 * クローズド ソース コンポーネント

一般的な質問と回答

上記の公開情報に対する一般的な質問とその回答は以下のとおりです。

1. 上記の問題に対処するようにデバイスが更新されているかどうかを確かめるには、どうすればよいですか?

デバイスのセキュリティ パッチレベルを確認するには、Android のバージョンを確認して更新するをご覧ください。

  • セキュリティ パッチレベル 2025-09-01 以降では、セキュリティ パッチレベル 2025-09-01 に関連するすべての問題に対処しています。
  • セキュリティ パッチレベル 2025-09-05 以降では、セキュリティ パッチレベル 2025-09-05、およびそれ以前のすべてのパッチレベルに関連するすべての問題に対処しています。

デバイス メーカーは、こうしたアップデートを組み込む場合、パッチレベル文字列を以下のとおり設定する必要があります。

  • [ro.build.version.security_patch]:[2025-09-01]
  • [ro.build.version.security_patch]:[2025-09-05]

Android 10 以降を搭載した一部のデバイスでは、Google Play システム アップデートに、セキュリティ パッチレベル 2025-09-01 と一致する日付文字列が含まれます。セキュリティ アップデートのインストール方法について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

2. この公開情報に 2 つのセキュリティ パッチレベルがあるのはなぜですか?

この公開情報では、2 つのセキュリティ パッチレベルを掲載しています。これは、すべての Android デバイスにまたがる同様の脆弱性をひとまとめにして、Android パートナーが迅速かつ柔軟に修正できるようにするためです。Android パートナーには、この公開情報に掲載されている問題をすべて修正し、最新のセキュリティ パッチレベルを使用することが推奨されています。

  • 2025-09-01 のセキュリティ パッチレベルを使用するデバイスには、そのセキュリティ パッチレベルに関連するすべての問題と、それ以前のセキュリティに関する公開情報で報告されたすべての問題の修正を含める必要があります。
  • 2025-09-05 以降のセキュリティ パッチレベルを使用するデバイスには、今回(およびそれ以前)のセキュリティに関する公開情報に掲載された、該当するすべてのパッチを組み込む必要があります。

パートナーは、対処するすべての問題の修正を 1 つのアップデートにまとめて提供することが推奨されています。

3. 「タイプ」列の項目はどういう意味ですか?

脆弱性の詳細の表で「タイプ」列に記載した項目は、セキュリティの脆弱性の分類を示しています。

略語 定義
RCE リモートコード実行
EoP 権限昇格
ID 情報開示
DoS サービス拒否攻撃
なし 該当する分類なし

4. 「参照」列の項目はどういう意味ですか?

脆弱性の詳細の表で「参照」列に記載した項目には、その参照番号が属する組織を示す接頭辞が含まれる場合があります。

接頭辞 参照
A- Android バグ ID
QC- Qualcomm の参照番号
M- MediaTek の参照番号
N- NVIDIA の参照番号
B- Broadcom の参照番号
U- UNISOC の参照番号

5. 「参照」列の Android バグ ID の横にある「*」はどういう意味ですか?

公開されていない問題には、対応する参照 ID の横に「*」を付けています。この問題のアップデートは、Google デベロッパー サイトから入手できる Pixel デバイス用最新バイナリ ドライバに通常含まれています。

6. セキュリティの脆弱性が、この公開情報とデバイスやパートナーのセキュリティに関する公開情報(Pixel のセキュリティに関する公開情報など)に分けられているのはなぜですか?

Android デバイスの最新のセキュリティ パッチレベルを宣言するためには、このセキュリティに関する公開情報に掲載されているセキュリティの脆弱性への対処が必要となります。それ以外の、デバイスやパートナーのセキュリティに関する公開情報に掲載されているセキュリティの脆弱性への対処は必須ではありません。また、Android デバイスやチップセットのメーカー(GoogleHuaweiLGEMotorolaNokiaSamsung など)からも、各社製品に固有のセキュリティの脆弱性に関する詳細情報が公開される場合があります。

バージョン

バージョン 日付 メモ
1.0 2025 年 9 月 2 日 情報公開