Android のセキュリティに関する公開情報 - 2019 年 6 月

2018 年 6 月 3 日公開 | 2018 年 6 月 5 日更新

Android のセキュリティに関する公開情報には、Android デバイスに影響を与えるセキュリティの脆弱性の詳細を掲載しています。セキュリティ パッチレベル 2019-06-05 以降では、下記のすべての問題に対処しています。デバイスのセキュリティ パッチレベルを確認する方法については、Android のバージョンを確認して更新する方法に関する説明をご覧ください。

Android パートナーには、情報公開の 1 か月前までにすべての問題が通知されます。Android オープンソース プロジェクト(AOSP)のレポジトリに、下記の問題に対するソースコードのパッチをリリースしています。また、この公開情報では、これらのパッチへのリンクに加え、AOSP 以外のパッチへのリンクも掲載しています。

下記の問題のうち最も重大度の高いものとは、メディア フレームワークの重大なセキュリティ脆弱性が原因となり、リモートの攻撃者が特別に細工したファイルを使用して特権プロセス内で任意のコードを実行するおそれが生じることです。重大度の評価は、攻撃対象のデバイスでその脆弱性が悪用された場合の影響に基づくもので、プラットフォームやサービスでのリスク軽減策が開発目的または不正な回避により無効となっていることを前提としています。

この新たに報告された問題によってユーザーのデバイスが実際に不正使用されたという報告はありません。下記の Android と Google サービスでのリスク軽減策では、Android プラットフォームのセキュリティの向上に役立つ手段として、Android セキュリティ プラットフォームでの保護や Google Play プロテクトについて説明します。

注: 最新の無線(OTA)アップデートと Google デバイスのファームウェア イメージについての情報は、2019 年 6 月の Pixel のアップデートに関する公開情報でご覧いただけます。

Android と Google サービスでのリスク軽減策

ここでは、Android セキュリティ プラットフォームGoogle Play プロテクトのようなサービスによる保護でリスクを軽減する手段について概説します。こうしたセキュリティの強化は、Android でセキュリティの脆弱性が悪用される可能性を減らすものです。

  • Android 上の多くの問題については、Android プラットフォームのバージョンが新しいほど機能が強化されるので、悪用がより困難になります。Google では、すべてのユーザーに対し、できる限り最新バージョンの Android に更新することをおすすめしています。
  • Android セキュリティ チームでは、Google Play プロテクトによって脆弱性の悪用を積極的に監視しており、有害となる可能性があるアプリについてユーザーに警告しています。Google Play プロテクトは、Google モバイル サービスを搭載したデバイスでデフォルトで有効になっており、Google Play 以外からアプリをインストールするユーザーにとっては特に重要です。

セキュリティ パッチレベル 2019-06-01 の脆弱性の詳細

以下に、パッチレベル 2019-06-01 に該当するセキュリティ脆弱性の各項目の詳細を示します。脆弱性は、影響を受けるコンポーネントごとに分類しています。問題の説明に続いて、CVE、関連する参照先、脆弱性のタイプ重大度、更新対象の AOSP バージョン(該当する場合)を表にまとめています。該当する場合は、バグ ID の欄に、その問題の対処法として一般公開されている変更内容(AOSP の変更の一覧など)へのリンクがあります。複数の変更が同じバグに関係する場合は、バグ ID の後に記載した番号に、追加の参照へのリンクがあります。

フレームワーク

フレームワークの最も重大な脆弱性により、悪意のあるローカルアプリによって、追加権限を取得するためのユーザー操作の要件が回避されるおそれがあります。

CVE 参照 タイプ 重大度 更新対象の AOSP バージョン
CVE-2019-2090 A-128599183 EoP 7.0、7.1.1、7.1.2、8.0、8.1、9
CVE-2019-2091 A-128599660 EoP 7.0、7.1.1、7.1.2、8.0、8.1
CVE-2019-2092 A-128599668 EoP 7.0、7.1.1、7.1.2、8.0、8.1、9

メディア フレームワーク

メディア フレームワークの最も重大な脆弱性により、リモートの攻撃者が特別に細工したファイルを使用して、特権プロセス内で任意のコードを実行するおそれがあります。

CVE 参照 タイプ 重大度 更新対象の AOSP バージョン
CVE-2019-2093 A-119292397 RCE 重大 9
CVE-2019-2094 A-129068792 RCE 重大 7.0、7.1.1、7.1.2、8.0、8.1、9
CVE-2019-2095 A-124232283 RCE 重大 9
CVE-2019-2096 A-123237974 [2] EoP 7.0、7.1.1、7.1.2、8.0、8.1、9

システム

システムの最も重大な脆弱性により、リモートの攻撃者が特別に細工した PAC ファイルを使用して、特権プロセス内で任意のコードを実行するおそれがあります。

CVE 参照 タイプ 重大度 更新対象の AOSP バージョン
CVE-2019-2097 A-117606285 RCE 重大 7.0、7.1.1、7.1.2、8.0、8.1、9
CVE-2019-2102 A-128843052 EoP 7.0、7.1.1、7.1.2、8.0、8.1、9
CVE-2019-2098 A-128599467 EoP 7.0、7.1.1、7.1.2、8.0、8.1、9
CVE-2019-2099 A-123583388 EoP 7.0、7.1.1、7.1.2、8.0、8.1、9

セキュリティ パッチレベル 2019-06-05 の脆弱性の詳細

以下に、パッチレベル 2019-06-05 に該当するセキュリティ脆弱性の各項目の詳細を示します。影響を受けるコンポーネントごとに脆弱性を分類し、CVE、関連する参照先、脆弱性のタイプ重大度、コンポーネント(該当する場合)、更新対象の AOSP バージョン(該当する場合)などの詳細を記載しています。該当する場合は、バグ ID の欄に、その問題の対処法として一般公開されている変更内容(AOSP の変更の一覧など)へのリンクがあります。複数の変更が同じバグに関係する場合は、バグ ID の後に番号を併記して、追加の参照先へのリンクを設定しています。

フレームワーク

フレームワークの脆弱性により、追加の実行権限を必要とすることなく、リモートで情報が漏えいするおそれがあります。

CVE 参照 タイプ 重大度 更新対象の AOSP バージョン
CVE-2018-9526 A-112159033 [2] [3] [4] ID 7.0、7.1.1、7.1.2、8.0、8.1、9

カーネル コンポーネント

カーネル コンポーネントの脆弱性により、悪意のあるローカルアプリが、アプリデータを他のアプリから分離するオペレーティング システムの保護を回避するおそれがあります。

CVE 参照 タイプ 重大度 コンポーネント
CVE-2019-2101 A-111760968* ID UVC ドライバ

Qualcomm コンポーネント

Qualcomm コンポーネントに影響する脆弱性は次のとおりです。詳細については、該当する Qualcomm のセキュリティに関する公開情報やセキュリティ アラートをご覧ください。これらの問題の重大度の評価は、Qualcomm から直接提供されたものです。

CVE 参照 タイプ 重大度 コンポーネント
CVE-2019-2269 A-123700924
QC-CR#2264429
なし 重大 WLAN ホスト
CVE-2019-2287 A-114399807
QC-CR#2368791 [2]
なし 重大 動画
CVE-2019-2260 A-123999895
QC-CR#2294824
なし カーネル
CVE-2019-2292 A-127513046
QC-CR#2327688
QC-CR#2333042
なし WLAN ホスト

Qualcomm クローズドソース コンポーネント

Qualcomm クローズドソース コンポーネントに影響する脆弱性は次のとおりです。詳細については、該当する Qualcomm のセキュリティに関する公開情報やセキュリティ アラートをご覧ください。これらの問題の重大度の評価は、Qualcomm から直接提供されたものです。

CVE 参照 タイプ 重大度 コンポーネント
CVE-2018-13924 A-120486477* なし 重大 クローズドソース コンポーネント
CVE-2018-13927 A-120485121* なし 重大 クローズドソース コンポーネント
CVE-2018-13896 A-120487163* なし クローズドソース コンポーネント
CVE-2019-2243 A-122473494* なし クローズドソース コンポーネント
CVE-2019-2261 A-123998003* なし クローズドソース コンポーネント

一般的な質問と回答

上記の公開情報に対する一般的な質問についての回答は以下のとおりです。

1. 上記の問題に対処するようにデバイスが更新されているかどうかを確かめるには、どうすればよいですか?

デバイスのセキュリティ パッチレベルを確認する方法については、Android のバージョンを確認して更新する方法に関する説明をご覧ください。

  • セキュリティ パッチレベル 2019-06-01 以降では、セキュリティ パッチレベル 2019-06-01 に関連するすべての問題に対処しています。
  • セキュリティ パッチレベル 2019-06-05 以降では、セキュリティ パッチレベル 2019-06-05、およびそれ以前のすべてのパッチレベルに関連するすべての問題に対処しています。

デバイス メーカーは、こうしたアップデートを組み込む場合、パッチレベル文字列を以下のとおり設定する必要があります。

  • [ro.build.version.security_patch]:[2019-06-01]
  • [ro.build.version.security_patch]:[2019-06-05]

2. この公開情報に 2 つのセキュリティ パッチレベルがあるのはなぜですか?

この公開情報では、2 つのセキュリティ パッチレベルを定義しています。これは、すべての Android デバイスにまたがる同様の脆弱性をひとまとめにして、Android パートナーが迅速かつ柔軟に修正できるようにするためです。Android パートナーは、この公開情報に掲載されている問題をすべて修正し、最新のセキュリティ パッチレベルを使用することが推奨されています。

  • 2019-06-01 のセキュリティ パッチレベルを使用するデバイスには、そのセキュリティ パッチレベルに関連するすべての問題と、それ以前のセキュリティに関する公開情報で報告されたすべての問題の修正を含める必要があります。
  • 2019-06-05 以降のセキュリティ パッチレベルを使用するデバイスには、今回(およびそれ以前)のセキュリティに関する公開情報に掲載された、該当するすべてのパッチを組み込む必要があります。

パートナーは、対処するすべての問題の修正を 1 つのアップデートにまとめて提供することが推奨されています。

3. 「タイプ」列の項目はどういう意味ですか?

脆弱性の詳細の表で「タイプ」列に記載した項目は、セキュリティの脆弱性の分類を示しています。

略語 定義
RCE リモートコード実行
EoP 権限昇格
ID 情報開示
DoS サービス拒否
なし 該当する分類なし

4. 「参照」列の項目はどういう意味ですか?

脆弱性の詳細の表で「参照」列に記載した項目には、その参照番号が属する組織を示す接頭辞が含まれる場合があります。

接頭辞 参照
A- Android バグ ID
QC- Qualcomm の参照番号
M- MediaTek の参照番号
N- NVIDIA の参照番号
B- Broadcom の参照番号

5. 「参照」列の Android バグ ID の横にある「*」はどういう意味ですか?

公開されていない問題には、「参照」列の Android バグ ID の横に「*」を付けています。この問題のアップデートは、Google デベロッパー サイトから入手できる Pixel デバイス用最新バイナリ ドライバに通常含まれています。

6. セキュリティの脆弱性が、この公開情報とデバイスやパートナーのセキュリティに関する公開情報(Pixel のセキュリティに関する公開情報など)に分けられているのはなぜですか?

Android デバイスの最新のセキュリティ パッチレベルを宣言するためには、このセキュリティに関する公開情報に掲載されているセキュリティの脆弱性への対処が必要となります。それ以外の、デバイスやパートナーのセキュリティに関する公開情報に掲載されているセキュリティの脆弱性への対処は必要ありません。また、Android デバイスやチップセットのメーカー(GoogleHuaweiLGEMotorolaNokiaSamsung など)からも、各社製品に固有のセキュリティの脆弱性に関する詳細情報が公開される場合があります。

バージョン

バージョン 日付 メモ
1.0 2019 年 6 月 3 日 情報公開
1.1 2016 年 6 月 5 日 公開情報を改訂し AOSP リンクを追加