ここでは、このリリースで Android Automotive に追加された主な機能と機能強化について詳しく説明します。このリリースで取り上げられている新機能の詳細については、新機能をご覧ください。
主な機能と機能強化
システム UI とコアアプリの改善点
- コアシステム アプリの更新
  
- 新しい設定の検索。ユーザーは設定のホーム画面から関連する設定をすばやく検索できるようになりました。
 - メディア。ユーザー エクスペリエンスの向上、OEM 向けのカスタマイズの強化など、さまざまな機能が追加されています。
 - 電話アプリ。ユーザー エクスペリエンスを向上させるために、姓で並べ替えるオプションが追加されました。
 - メッセージング。MMS と RCS を使用したグループ メッセージに対応しました。
 
 - 通知の柔軟性の向上。通知パネルとヘッドアップ通知における画面上の位置のカスタマイズ性や、ヘッドアップ通知のアニメーションにおけるカスタマイズ性を向上させる機能が追加されています。
 - ステータスバー アイコンのカスタマイズ性の向上。アイコン間のスペースをカスタマイズできます。また、一部のアイコンを除外できるようになりました。
 - Automotive UI ツールキット。新しいコンポーネントとリソースのセットが追加され、システムの OEM カスタマイズがより簡単で予測しやすく、一貫性のある形で行えるようになりました。
 - ベースライン ロータリーのサポート。物理的なロータリー コントローラの VHAL イベントが RotaryController サービスに組み込まれているため、アプリをロータリー コントローラと連携できるようになります。
 
ユーザー管理
- マルチユーザー API の更新。Android Automotive OS のマルチユーザー管理 API サーフェス(CarUserManagerHelper など)をコア フレームワーク(UserManager など)に移行し、OEM の統合とアップグレードを容易にしました。
 - ユーザーロールと制限。 ユーザーロールと制限に関する OEM のカスタマイズが容易になりました。
 - ユーザーの切り替えの高速化。ユーザーの切り替えとマルチユーザーのパフォーマンスが改善されました。システム ユーザーによるパッケージの事前作成と削除が可能になりました。
 - CarUserHAL。外部 ECU と Android 間のユーザー管理(ユーザーの切り替えなど)の統合がサポートされるようになりました。
 - 信頼できるデバイスのロック解除。ユーザーのロック解除パフォーマンスとシステム エクスペリエンスが改善されました。
 
Bluetooth
- カバーアート。AVRCP を通して再生中のトラックやブラウジング トラックのカバーアートを受信できるようになりました。
 - MMS と RCS。SMS に加えて、MMS と RCS のメッセージの送受信もサポートされるようになりました。
 - ベンダー AT コマンド。3P 投影を有効にするために HFP を介したベンダー AT コマンドの送信をサポートする機能が追加されました。
 - お気に入りの連絡先の同期。お気に入りの電話帳をスマートフォンから車に転送できるようになりました。
 - ブラウズ可能な複数のメディアソースのサポートの改善。 複数のメディア プレーヤーに対応し、それらのメディア プレーヤーを変更するスマートフォンからの信号のサポートが改善されました。
 - AVRCP の改善。メディア制御機能が改善されました。
 - 連絡先のダウンロード。連絡先のダウンロードを一括処理して、使用可能な連絡先をデータベースに迅速に追加します。
 
複数のディスプレイ
- エミュレータのサポート。Android Automotive OS エミュレータで、複数の物理ディスプレイをサポートするようになりました。
 - 複数のディスプレイの起動アニメーション。マルチ ディスプレイの起動アニメーションがサポートされるようになりました。
 - CarActivityView。ActivityView が運転制限を認識するようになりました。
 
接続
- アクセス ポイント クライアントのブラウジングと管理。パートナーは、接続された AP クライアントの詳細リストを表示して、クライアントを表示またはブロックできるようになりました。
 - 動的な Wi-Fi インターフェース管理。Wi-Fi の同時実行のユースケースをサポートし、現在の 1 回限りの実装における断片化を軽減できるように、Wi-Fi ネットワーク インターフェースを動的に作成、削除するサポートが追加されました。
 - Automotive HU へのサイレント ワイヤレス接続。特権アプリは、Wi-Fi にサイレント接続できるようになりました。
 
音声
- 出力デバイスごとの音声エフェクト。ストリーミングごとに加えて、特定の出力デバイスへの音声エフェクトを適用できるようになりました。
 - マルチゾーンの改善。マルチゾーン音声で、ユーザーと車両の占有状況に基づくルーティングがサポートされるようになりました。さらに、音声入力をゾーンに関連付けることで、デバイスを簡単に検索できます。
 - 乗り物の音に対応。自動車のユースケースに対応するため、新しいシステム使用状況が導入されています。また、HAL が Android 以外の音声に対して音声フォーカスに関与できるよう、新しい API も追加されています。
 - 音声フォーカスの改善。遅延音声フォーカス リクエストがサポートされるようになり、通話中にナビゲーションがフォーカスを取得しないようにする新しいユーザー設定が追加されました。
 
カメラ
サラウンド ビュー。複数のカメラ入力から 360 度ビューを表示する機能が追加されました。
コンピュータ ビジョンと機械学習(CV と ML)
Android Automotive OS 上の Computepipe。Android での CVML クライアントの実装では、基盤となるデプロイ アーキテクチャを抽象化して、どの環境(VM または個別の HW)で実行するかに関係なく、CVML パイプラインに接続できるようになりました。
センサー
- 超音波。超音波センサーアレイのサポートがプラットフォームに追加されました。
 - CarPropertyManager。Vendor プロパティの権限の粒度、エラー コールバックの公開、getProperty API の簡素化などの改善が行われました。
 - 国の検出。Automotive のカスタマイズにより、OEM が位置情報検出のデフォルト以外の国コードを設定できるようにします(車にテレフォニー プロビジョニングがない場合)。
 - GNSS。報告できる衛星数が無制限になりました(これまで対応していた最大数 64 から増加)。
 
システムの信頼性と安定性
問題のあるプロセスを検出して再起動するウォッチドッグが追加されました。
起動パフォーマンス
IO パフォーマンス データは CarWatchDog サービスの一部として収集されるようになりました。
自動車のフレームワーク
- オプション機能と試験運用版機能がサポートされるようになりました。
 - アクティビティのクラッシュ監視機能と、クラスタ内でクラッシュしたアクティビティを再起動する機能が追加されました(FixedActivity モード)。
 - 自動車サービスのクラッシュ処理が改善されました。
 - CarOccupantZoneManager API が追加され、特定の用途に適したディスプレイや音声を照会できるようになりました。
 - CarInputManager が追加され、選択した入力イベントのグループをキャプチャできるようになりました。
 - 標準化された CAN バスアクセス用の CAN バス HAL を追加しました。
 
電源管理
電源管理サービス ロジックで新しい遷移がサポートされるようになりました。
WAIT_FOR_VHAL_FINISH から WAIT_FOR_VHAL になり、SHUTDOWN_PREPARE は即時にスリープします。
バグの修正
複数のバグの修正とコンプライアンス テストが行われました。
既知の問題
- xTS は対応デバイスではなく、エミュレータで実行されます。
 - パフォーマンス ベンチマークは実行されていません。