Android のセキュリティに関する公開情報 - 2025 年 4 月

2025 年 4 月 7 日公開

Android のセキュリティに関する公開情報には、Android デバイスに影響を与えるセキュリティの脆弱性の詳細を掲載しています。セキュリティ パッチレベル 2025-04-05 以降では、下記のすべての問題に対処しています。デバイスのセキュリティ パッチレベルを確認するには、Android のバージョンを確認して更新する方法をご覧ください。

Android パートナーには、情報公開の 1 か月前までにすべての問題が通知されます。 下記の問題に対するソースコードのパッチは、これから 48 時間の間に Android オープンソース プロジェクト(AOSP)リポジトリにリリースされます。AOSP リンクが利用可能になり次第、この公開情報を改訂します。

下記の問題のうち最も重大度の高いものは、システム コンポーネントに存在する重大なセキュリティの脆弱性です。これにより、追加の実行権限がなくてもリモートで権限が昇格されるおそれがあります。この脆弱性を悪用するためにユーザーの操作は必要ありません。重大度の評価は、攻撃対象のデバイスでその脆弱性が悪用された場合の影響に基づいています。プラットフォームやサービスでのリスク軽減策が、開発目的または不正な回避策により無効となっていると仮定しています。

Android セキュリティ プラットフォームの保護や Google Play プロテクトについて詳しくは、Android と Google サービスでのリスク軽減策をご覧ください。こうした保護により、Android プラットフォームのセキュリティが改善されます。

Android と Google サービスでのリスク軽減策

ここでは、Android セキュリティ プラットフォームの保護と Google Play プロテクトのようなサービスの保護によるリスクの軽減について概説します。こうした機能は、Android でセキュリティの脆弱性が悪用される可能性を減らします。

  • Android プラットフォームの最新版での機能強化により、Android 上の多くの問題の悪用が困難になります。Google では、すべてのユーザーに対し、できる限り最新版の Android に更新することをおすすめしています。
  • Android セキュリティ チームは、Google Play プロテクトを使って脆弱性の悪用を積極的に監視しており、有害な可能性があるアプリについてユーザーに警告しています。Google Play プロテクトは、Google モバイル サービスを搭載したデバイスではデフォルトで有効になっており、Google Play 以外からアプリをインストールするユーザーにとっては特に重要です。

セキュリティ パッチレベル 2025-04-01 の脆弱性の詳細

以下に、パッチレベル 2025-04-01 に該当するセキュリティ脆弱性の各項目の詳細を示します。脆弱性は、影響を受けるコンポーネントごとに分類しています。問題の説明に続いて、CVE ID、関連する参照先、脆弱性のタイプ重大度、更新対象の AOSP バージョン(該当する場合)を表にまとめています。問題の対処法として一般公開されている変更内容(AOSP の変更の一覧など)が参照可能な場合は、バグ ID にその情報へのリンクがあります。複数の変更が同じバグに関係する場合は、バグ ID の後に記載した番号に、追加の参照へのリンクがあります。Android 10 以降を搭載したデバイスは、セキュリティ アップデートと Google Play システム アップデートを受信することがあります。

フレームワーク

このセクションの最も重大な脆弱性により、追加の実行権限を必要とすることなく、ローカルで権限が昇格されるおそれがあります。この脆弱性を悪用するためにユーザーの操作は必要ありません。

CVE 参照 タイプ 重大度 更新対象の AOSP バージョン
CVE-2025-22429 A-373357090 ID 重大 13, 14, 15
CVE-2025-22416 A-277207798 EoP 13, 14, 15
CVE-2025-22417 A-332277530 EoP 14、15
CVE-2025-22422 A-339532378 EoP 13, 14, 15
CVE-2025-22424 A-350456241 EoP 13, 14, 15
CVE-2025-22426 A-365086157 EoP 13, 14, 15
CVE-2025-22434 A-378900798 EoP 14、15
CVE-2025-22437 A-317203980 EoP 13
CVE-2025-22438 A-343129193 EoP 13、14
CVE-2025-22442 A-382064697 EoP 13, 14, 15
CVE-2024-49722 A-341688848 ID 15
CVE-2025-22421 A-338024220 ID 13, 14, 15
CVE-2025-22430 A-374257207 ID 15
CVE-2025-22431 A-375623125 DoS 13, 14, 15

システム

このセクションの最も重大な脆弱性により、追加の実行権限を必要とすることなく、リモートで権限を昇格されるおそれがあります。この脆弱性を悪用するためにユーザーの操作は必要ありません。

CVE 参照 タイプ 重大度 更新対象の AOSP バージョン
CVE-2025-26416 A-388480622 EoP 重大 13, 14, 15
CVE-2025-22423 A-346797131 DoS 重大 13, 14, 15
CVE-2024-40653 A-293458004 EoP 13, 14, 15
CVE-2024-49720 A-355411348 EoP 13, 14, 15
CVE-2024-49730 A-284989074 EoP 13、14
CVE-2025-22418 A-333344157 EoP 13、14
CVE-2025-22419 A-335387175 EoP 13, 14, 15
CVE-2025-22427 A-368579654 EoP 13, 14, 15
CVE-2025-22428 A-372671447 EoP 13, 14, 15
CVE-2025-22432 A-376461726 EoP 13, 14, 15
CVE-2025-22433 A-376674080 EoP 13, 14, 15
CVE-2025-22435 A-273995284 EoP 13, 14, 15
CVE-2025-22439 A-352294617 EoP 13, 14, 15
CVE-2024-49728 A-296915500 ID 13, 14, 15

Google Play システム アップデート

プロジェクト Mainline のコンポーネントには次の問題が含まれています。

サブコンポーネント CVE
Documents UI CVE-2025-22439
MediaProvider CVE-2024-49730
権限コントローラ CVE-2024-49720

セキュリティ パッチレベル 2025-04-05 の脆弱性の詳細

以下に、パッチレベル 2025-04-05 に該当するセキュリティ脆弱性の各項目の詳細を示します。脆弱性は、影響を受けるコンポーネントごとに分類しています。問題の説明に続いて、CVE ID、関連する参照先、脆弱性のタイプ重大度、更新対象の AOSP バージョン(該当する場合)を表にまとめています。問題の対処法として一般公開されている変更内容(AOSP の変更の一覧など)が参照可能な場合は、バグ ID にその情報へのリンクがあります。複数の変更が同じバグに関係する場合は、バグ ID の後に記載した番号に、追加の参照へのリンクがあります。

カーネル

このセクションの最も重大な脆弱性により、追加の実行権限を必要とすることなく、ローカルで権限が昇格されるおそれがあります。この脆弱性を悪用するためにユーザーの操作は必要ありません。

CVE 参照 タイプ 重大度 サブコンポーネント
CVE-2024-50264 A-378870958
アップストリーム カーネル
EoP ネット
CVE-2024-53197 A-382243530
アップストリーム カーネル [2]
EoP USB
CVE-2024-56556 A-380855429
アップストリーム カーネル [2]
EoP Binder
CVE-2024-53150 A-382239029
アップストリーム カーネル [2]
ID USB

Arm コンポーネント

この脆弱性は Arm コンポーネントに影響を与えます。詳細については Arm から直接入手できます。この問題の重大度の評価は、Arm から直接提供されたものです。

CVE 参照 重大度 サブコンポーネント
CVE-2025-0050
A-384996147 * Mali

Imagination Technologies

これらの脆弱性は Imagination Technologies コンポーネントに影響を与えます。詳細については Imagination Technologies から直接入手できます。問題の重大度の評価は、Imagination Technologies から直接提供されたものです。

CVE 参照 重大度 サブコンポーネント
CVE-2024-43702
A-363071287 * PowerVR-GPU
CVE-2024-43703
A-366410795 * PowerVR-GPU
CVE-2024-46972
A-374964509 * PowerVR-GPU
CVE-2024-47897
A-381272263 * PowerVR-GPU
CVE-2024-52936
A-380302155 * PowerVR-GPU
CVE-2024-52937
A-381273105 * PowerVR-GPU
CVE-2024-52938
A-380397760 * PowerVR-GPU
CVE-2024-47894
A-382770071 * PowerVR-GPU
CVE-2024-47895
A-380296167 * PowerVR-GPU

MediaTek コンポーネント

これらの脆弱性は MediaTek コンポーネントに影響を与えます。詳細については MediaTek から直接入手できます。 これらの問題の重大度の評価は、MediaTek から直接提供されたものです。

CVE 参照 重大度 サブコンポーネント
CVE-2025-20656
A-393950961
M-ALPS09625423 *
DA
CVE-2025-20657
A-393950963
M-ALPS09486425 *
vdec
CVE-2025-20658
A-393950964
M-ALPS09474894 *
DA
CVE-2025-20655
A-393950958
M-DTV04427687 *
Keymaster

Qualcomm コンポーネント

Qualcomm コンポーネントに影響する脆弱性は次のとおりです。詳細については、該当する Qualcomm のセキュリティに関する公開情報やセキュリティ アラートをご覧ください。これらの問題の重大度の評価は、Qualcomm から直接提供されたものです。

CVE 参照 重大度 サブコンポーネント
CVE-2024-43066
A-372003347
QC-CR#3731804
ブートローダー
CVE-2024-49848
A-388048362
QC-CR#3908517
カーネル
CVE-2025-21429
A-388048166
QC-CR#3960857 [2]
WLAN
CVE-2025-21430
A-388047866
QC-CR#3910625 [2]
WLAN
CVE-2025-21434
A-388048345
QC-CR#3918068
WLAN
CVE-2025-21435
A-388047607
QC-CR#3924648
WLAN
CVE-2025-21436
A-388048322
QC-CR#3927062
カーネル

Qualcomm クローズドソース コンポーネント

以下の脆弱性は Qualcomm クローズドソース コンポーネントに影響を与えます。詳細については、該当する Qualcomm のセキュリティに関する公開情報やセキュリティ アラートをご覧ください。これらの問題の重大度の評価は、Qualcomm から直接提供されたものです。

CVE 参照 重大度 サブコンポーネント
CVE-2024-45551
A-372002538 * 重大 クローズドソース コンポーネント
CVE-2024-33058
A-372002796 * クローズドソース コンポーネント
CVE-2024-43065
A-372003122 * クローズドソース コンポーネント
CVE-2024-45549
A-372002818 * クローズドソース コンポーネント
CVE-2024-45552
A-372003503 * クローズドソース コンポーネント
CVE-2025-21448
A-388048021 * クローズドソース コンポーネント

一般的な質問と回答

上記の公開情報に対する一般的な質問とその回答は以下のとおりです。

1. 上記の問題に対処するようにデバイスが更新されているかどうかを確かめるには、どうすればよいですか?

デバイスのセキュリティ パッチレベルを確認するには、Android のバージョンを確認して更新する方法をご覧ください。

  • セキュリティ パッチレベル 2025-04-01 以降では、セキュリティ パッチレベル 2025-04-01 に関連するすべての問題に対処しています。
  • セキュリティ パッチレベル 2025-04-05 以降では、セキュリティ パッチレベル 2025-04-05 以前のすべてのパッチレベルに関連するすべての問題に対処しています。

デバイス メーカーは、こうしたアップデートを組み込む場合、パッチレベル文字列を以下のとおり設定する必要があります。

  • [ro.build.version.security_patch]:[2025-04-01]
  • [ro.build.version.security_patch]:[2025-04-05]

Android 10 以降を搭載した一部のデバイスでは、Google Play システム アップデートに、セキュリティ パッチレベル 2025-04-01 と一致する日付文字列が含まれます。セキュリティ アップデートのインストール方法について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

2. この公開情報に 2 つのセキュリティ パッチレベルがあるのはなぜですか?

この公開情報では、2 つのセキュリティ パッチレベルを掲載しています。これは、すべての Android デバイスにまたがる同様の脆弱性をひとまとめにして、Android パートナーが迅速かつ柔軟に修正できるようにするためです。Android パートナーには、この公開情報に掲載されている問題をすべて修正し、最新のセキュリティ パッチレベルを使用することが推奨されています。

  • 2025-04-01 のセキュリティ パッチレベルを使用するデバイスには、そのセキュリティ パッチレベルに関連するすべての問題と、それ以前のセキュリティに関する公開情報で報告されたすべての問題の修正を含める必要があります。
  • 2025-04-05 以降のセキュリティ パッチレベルを使用するデバイスには、今回(およびそれ以前)のセキュリティに関する公開情報に掲載された、該当するすべてのパッチを組み込む必要があります。

パートナーは、対処するすべての問題の修正を 1 つのアップデートにまとめて提供することが推奨されています。

3. 「タイプ」列の項目はどういう意味ですか?

脆弱性の詳細の表で「タイプ」列に記載した項目は、セキュリティの脆弱性の分類を示しています。

略語 定義
RCE リモートコード実行
EoP 権限昇格
ID 情報開示
DoS サービス拒否攻撃
なし 該当する分類なし

4. 「参照」列の項目はどういう意味ですか?

脆弱性の詳細の表で「参照」列に記載した項目には、その参照番号が属する組織を示す接頭辞が含まれる場合があります。

接頭辞 参照
A- Android バグ ID
QC- Qualcomm の参照番号
M- MediaTek の参照番号
N- NVIDIA の参照番号
B- Broadcom の参照番号
U- UNISOC の参照番号

5. 「参照」列の Android バグ ID の横にある「*」はどういう意味ですか?

公開されていない問題には、対応する参照 ID の横に「*」を付けています。この問題のアップデートは、Google デベロッパー サイトから入手できる Pixel デバイス用最新バイナリ ドライバに通常含まれています。

6. セキュリティの脆弱性が、この公開情報とデバイスやパートナーのセキュリティに関する公開情報(Pixel のセキュリティに関する公開情報など)に分けられているのはなぜですか?

Android デバイスの最新のセキュリティ パッチレベルを宣言するためには、このセキュリティに関する公開情報に掲載されているセキュリティの脆弱性への対処が必要となります。それ以外の、デバイスやパートナーのセキュリティに関する公開情報に掲載されているセキュリティの脆弱性への対処は必須ではありません。また、Android デバイスやチップセットのメーカー(GoogleHuaweiLGEMotorolaNokiaSamsung など)からも、各社製品に固有のセキュリティの脆弱性に関する詳細情報が公開される場合があります。

バージョン

バージョン 日付 メモ
1.0 2025 年 4 月 7 日 情報公開