Android のセキュリティに関する公開情報 - 2018 年 1 月

2018 年 1 月 2 日公開 | 2018 年 1 月 29 日更新

Android のセキュリティに関する公開情報には、Android 搭載端末に影響を与えるセキュリティの脆弱性の詳細を掲載しています。セキュリティ パッチレベル 2018-01-05 以降では、下記のすべての問題に対処しています。端末のセキュリティ パッチレベルを確認する方法については、Android のバージョンを確認して更新するをご覧ください。

Android パートナーには、情報公開の 1 か月前までにすべての問題が通知されます。Android オープンソース プロジェクト(AOSP)のリポジトリに、下記の問題に対するソースコードのパッチをリリースしています。また、この公開情報では、これらのパッチへのリンクに加え、AOSP 以外のパッチへのリンクも掲載しています。

下記の問題のうち最も重大度の高いものは、メディア フレームワークに重大なセキュリティの脆弱性があるため、リモートの攻撃者が特別に細工したファイルを使用して、特権プロセス内で任意のコードを実行するおそれがあることです。重大度の評価は、攻撃対象の端末でその脆弱性が悪用された場合の影響に基づくもので、プラットフォームやサービスでのリスク軽減策が開発目的または不正な回避により無効となっていることを前提としています。

この新たに報告された問題によって実際のユーザー端末が不正使用された報告はありません。下記の Android と Google サービスでのリスク軽減策では、Android セキュリティ プラットフォームの保護や Google Play プロテクトについて詳しく説明しています。こうした保護は、Android プラットフォームのセキュリティを強化するのに役立ちます。

注: 最新の無線(OTA)アップデートと Google 端末のファームウェア イメージについての情報は、2018 年 1 月の Pixel / Nexus のセキュリティに関する公開情報でご覧いただけます。

お知らせ

新たに Pixel  /  Nexus のセキュリティに関する公開情報の提供を開始しました。この公開情報には、Pixel 端末と Nexus 端末で対処されているその他のセキュリティの脆弱性や機能強化についての情報を掲載しています。Android 搭載端末メーカーは、自社の端末でそれらの問題に対処することができます。詳しくは、一般的な質問と回答をご覧ください。

Android と Google サービスでのリスク軽減策

ここでは、Android セキュリティ プラットフォームの保護と Google Play プロテクトのようなサービスの保護によるリスクの軽減について概説します。こうした機能は、Android でセキュリティの脆弱性が悪用される可能性を減らします。

  • Android プラットフォームの最新版での機能強化により、Android 上の多くの問題について悪用が困難になります。Google では、すべてのユーザーに対し、できる限り最新バージョンの Android に更新することをおすすめしています。
  • Android セキュリティ チームは、Google Play プロテクトによって脆弱性の悪用を積極的に監視し、害を及ぼすおそれのあるアプリについてユーザー向けの警告を出しています。Google Play プロテクトは、Google モバイル サービスを搭載した端末ではデフォルトで有効になっており、Google Play 以外からアプリをインストールするユーザーにとっては特に重要です。

セキュリティ パッチレベル 2018-01-01 の脆弱性の詳細

パッチレベル 2018-01-01 に該当するセキュリティ脆弱性の各項目について、下記に詳細を説明します。脆弱性は、影響を受けるコンポーネントごとに分類しています。問題についての説明に加え、1 つの表に CVE、関連する参照先、脆弱性のタイプ重大度、更新対象の AOSP バージョン(該当する場合)をまとめています。該当する場合は、バグ ID の欄に、その問題に対処した一般公開されている変更(AOSP の変更の一覧など)へのリンクがあります。複数の変更が同じバグに関係する場合は、バグ ID の後に続く番号で、追加の参照先へのリンクを示します。

Android ランタイム

Android ランタイムの最も重大な脆弱性により、リモートの攻撃者によって、追加権限を取得するためのユーザー操作要件が回避されるおそれがあります。

CVE 参照 タイプ 重大度 更新対象の AOSP バージョン
CVE-2017-13176 A-68341964 EoP 5.1.1、6.0、6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0、8.1

メディア フレームワーク

メディア フレームワークの最も重大な脆弱性により、リモートの攻撃者が特別に細工したファイルを使用して、特権プロセス内で任意のコードを実行するおそれがあります。

CVE 参照 タイプ 重大度 更新対象の AOSP バージョン
CVE-2017-13177 A-68320413 RCE 重大 5.1.1、6.0、6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0、8.1
CVE-2017-13178 A-66969281 RCE 重大 6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0、8.1
CVE-2017-13179 A-66969193 RCE 重大 6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0、8.1
CVE-2017-13180 A-66969349 EoP 6.0、6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0、8.1
CVE-2017-13181 A-67864232 EoP 7.0、7.1.1、7.1.2、8.0、8.1
CVE-2017-13182 A-67737022 EoP 8.0、8.1
CVE-2017-13184 A-65483324 EoP 8.0、8.1
CVE-2017-0855 A-64452857 DoS 5.1.1、6.0、6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0
CVE-2017-13191 A-64380403 DoS 5.1.1、6.0、6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0、8.1
CVE-2017-13192 A-64380202 DoS 5.1.1、6.0、6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0、8.1
CVE-2017-13193 A-65718319 DoS 5.1.1、6.0、6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0、8.1
CVE-2017-13195 A-65398821 DoS 5.1.1、6.0、6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0、8.1
CVE-2017-13196 A-63522067 DoS 5.1.1、6.0、6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0、8.1
CVE-2017-13197 A-64784973 DoS 6.0、6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0、8.1
CVE-2017-13199 A-33846679 DoS 8.0、8.1

システム

システムの最も重大な脆弱性により、リモートの攻撃者が特別に細工したファイルを使用して、特権プロセス内で任意のコードを実行するおそれがあります。

CVE 参照 タイプ 重大度 更新対象の AOSP バージョン
CVE-2017-13208 A-67474440 RCE 重大 5.1.1、6.0、6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0、8.1
CVE-2017-13209 A-68217907 [2] [3] EoP 8.0、8.1
CVE-2017-13210 A-67782345 EoP 5.1.1、6.0、6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0、8.1
CVE-2017-13211 A-65174158 DoS 8.0

セキュリティ パッチレベル 2018-01-05 の脆弱性の詳細

パッチレベル 2018-01-05 に該当するセキュリティ脆弱性の各項目について、下記に詳細を説明します。影響を受けるコンポーネントごとに脆弱性を分類して、CVE、関連する参照先、脆弱性のタイプ重大度、コンポーネント(該当する場合)、更新対象の AOSP バージョン(該当する場合)といった詳しい項目を記載しています。該当する場合は、バグ ID の欄に、その問題に対処した一般公開されている変更(AOSP の変更の一覧など)へのリンクがあります。複数の変更が同じバグに関係する場合は、バグ ID の後に記載した番号に、追加の参照へのリンクを設定しています。

HTC コンポーネント

HTC コンポーネントの最も重大な脆弱性により、リモートの攻撃者が重要なシステム プロセスでサービス拒否を引き起こすおそれがあります。

CVE 参照 タイプ 重大度 コンポーネント
CVE-2017-13214 A-38495900* DoS ハードウェア HEVC デコーダ

カーネル コンポーネント

カーネル コンポーネントの最も重大な脆弱性により、悪意のあるローカルアプリによって特権プロセス内で任意のコードが実行されるおそれがあります。

CVE 参照 タイプ 重大度 コンポーネント
CVE-2017-14497 A-66694921
アップストリーム カーネル
EoP TCP パケット処理
CVE-2017-13215 A-64386293
アップストリーム カーネル
EoP Skcipher
CVE-2017-13216 A-66954097* EoP Ashmem
CVE-2017-13218 A-68266545* ID 高精度タイマー

LG コンポーネント

LG コンポーネントの最も重大な脆弱性により、悪意のあるローカルアプリによって特権プロセス内で任意のコードが実行されるおそれがあります。

CVE 参照 タイプ 重大度 コンポーネント
CVE-2017-13217 A-68269077* EoP ブートローダー

メディア フレームワーク

メディア フレームワークの最も重大な脆弱性により、悪意のあるローカルアプリによって特権プロセス内で任意のコードが実行されるおそれがあります。

CVE 参照 タイプ 重大度 更新対象の AOSP バージョン
CVE-2017-13183 A-38118127 EoP 8.1

NVIDIA コンポーネント

NVIDIA コンポーネントの最も重大な脆弱性により、悪意のあるローカルアプリによって特権プロセス内で任意のコードが実行されるおそれがあります。

CVE 参照 タイプ 重大度 コンポーネント
CVE-2017-0869 A-37776156*
N-CVE-2017-0869
EoP NVIDIA ドライバ

Qualcomm コンポーネント

Qualcomm コンポーネントの最も重大な脆弱性により、リモートの攻撃者が特別に細工したファイルを使用して、特権プロセス内で任意のコードを実行するおそれがあります。

CVE 参照 タイプ 重大度 コンポーネント
CVE-2017-15849 A-66937641
QC-CR#2046572
EoP ディスプレイ
CVE-2017-11069 A-65468974
QC-CR#2060780
EoP ブートローダー

Qualcomm クローズドソース コンポーネント

Qualcomm コンポーネントに影響する脆弱性は次のとおりです。詳細については、該当する Qualcomm AMSS のセキュリティに関する公開情報またはセキュリティ アラートをご覧ください。この一連の問題の重大度は Qualcomm から直接提供されたものです。

CVE 参照 タイプ 重大度 コンポーネント
CVE-2017-14911 A-62212946* N/A 重大 クローズドソース コンポーネント
CVE-2017-14906 A-32584150* N/A クローズドソース コンポーネント
CVE-2017-14912 A-62212739* N/A クローズドソース コンポーネント
CVE-2017-14913 A-62212298* N/A クローズドソース コンポーネント
CVE-2017-14915 A-62212632* N/A クローズドソース コンポーネント
CVE-2013-4397 A-65944893* N/A クローズドソース コンポーネント
CVE-2017-11010 A-66913721* N/A クローズドソース コンポーネント

一般的な質問と回答

上記の公開情報に対する一般的な質問とその回答について、以下をご確認ください。

1. 上記の問題に対処するように端末が更新されているかどうかを確かめるには、どうすればよいですか?

端末のセキュリティ パッチレベルを確認する方法については、Android のバージョンを確認して更新するをご覧ください。

  • セキュリティ パッチレベル 2018-01-01 以降では、セキュリティ パッチレベル 2018-01-01 に関連するすべての問題に対処しています。
  • セキュリティ パッチレベル 2018-01-05 以降では、セキュリティ パッチレベル 2018-01-05、およびそれ以前のすべてのパッチレベルに関連するすべての問題に対処しています。

このアップデートを組み込んだ端末メーカーは、パッチレベル文字列を以下に設定する必要があります。

  • [ro.build.version.security_patch]:[2018-01-01]
  • [ro.build.version.security_patch]:[2018-01-05]

2. この公開情報に 2 つのセキュリティ パッチレベルがあるのはなぜですか?

この公開情報では、2 つのセキュリティ パッチレベルを定義しています。これは、すべての Android 搭載端末で同様の問題が発生する一部の脆弱性をサブセットとし、Android パートナーが迅速かつ柔軟に修正できるようにするためです。Android パートナーには、この公開情報に掲載されている問題をすべて修正し、最新のセキュリティ パッチレベルを使用することが推奨されています。

  • 2018-01-01 のセキュリティ パッチレベルを使用する端末では、そのセキュリティ パッチレベルに関連するすべての問題と、それ以前のセキュリティに関する公開情報で報告されたすべての問題の修正を含める必要があります。
  • 2018-01-05 以降のセキュリティ パッチレベルを使用する端末には、今回(およびそれ以前)のセキュリティに関する公開情報に掲載された、該当するすべてのパッチを組み込む必要があります。

パートナーには、対処するすべての問題の修正を 1 つのアップデートにまとめて提供することが推奨されています。

3. 「タイプ」列の項目はどういう意味ですか?

脆弱性の詳細の表で「タイプ」列に記載した項目は、セキュリティの脆弱性の分類を示しています。

略語 定義
RCE リモートコード実行
EoP 権限昇格
ID 情報開示
DoS サービス拒否
N/A 該当する分類なし

4. 「参照」列の項目はどういう意味ですか?

脆弱性の詳細の表で「参照」列に記載した項目には、その参照番号が属す組織を示す接頭辞が含まれる場合があります。

接頭辞 参照
A- Android バグ ID
QC- Qualcomm の参照番号
M- MediaTek の参照番号
N- NVIDIA の参照番号
B- Broadcom の参照番号

5. 「参照」列の Android バグ ID の横にある「*」はどういう意味ですか?

公開されていない問題には、「参照」列の Android バグ ID の横に「*」を付けています。この問題のアップデートは、通常、Google デベロッパー サイトから入手できる Nexus 端末用最新バイナリ ドライバに含まれています。

6. セキュリティの脆弱性が、この公開情報と端末やパートナーのセキュリティに関する公開情報(Pixel / Nexus のセキュリティに関する公開情報など)に分けられているのはなぜですか?

Android 搭載端末の最新のセキュリティ パッチレベルを宣言するためには、このセキュリティに関する公開情報に掲載されているセキュリティの脆弱性への対処が必要です。それ以外の、端末やパートナーのセキュリティに関する公開情報に掲載されているセキュリティの脆弱性への対処は必須ではありません。Android 搭載端末やチップセットのメーカーは、自社の端末に関して他にも修正がある場合、自社のセキュリティ関連のウェブサイト(たとえば、SamsungLGEPixel / Nexus のセキュリティについてそれぞれ公開されている情報)にその情報を掲載することが推奨されています。

バージョン

バージョン 日付 メモ
1.0 2018 年 1 月 2 日 情報公開
1.1 2018 年 1 月 3 日 公開情報を更新し CVE-2017-13218 に関するお知らせを追加
1.2 2018 年 1 月 5 日 公開情報を改訂し AOSP リンクを追加
1.3 2018 年 1 月 29 日 CVE-2017-13225 を Pixel / Nexus のセキュリティに関する公開情報に移動