Android Automotive 14 リリースの詳細

このページでは、Android Automotive 14 の主な新機能の概要を説明します。

機能

自動車のフレームワーク

ディスプレイおよびウィンドウ マネージャー

  1. 同時マルチユーザー SysUI とロック画面。
  2. リアシート入力ロック。
  3. 特殊入力の処理。
  4. AAOS の単一インスタンスでの同時マルチユーザーによる、リアシート入力ロックと特殊入力キー処理の共有をサポートします。
  5. ディスプレイとタスクのミラーリング。AAOS の単一インスタンスでの同時マルチユーザーによる、ディスプレイとタスクのミラーリングをサポートします。
  6. マルチユーザー IME。AAOS の単一インスタンスでの同時マルチユーザーによる、マルチユーザー IME をサポートします。
  7. ホームまたは助手席セカンダリ ディスプレイでの TaskView を有効化します。

音声

詳しくは、source.android.com の新しい音声ページをご覧ください。

  1. 動的ボリューム。各音声ストリームまたはバスの動的ボリューム範囲設定をサポートします。
  2. 動的オーディオ ゾーン。同時マルチユーザーの動的オーディオ ゾーンをサポートします。
  3. 音声共有(キャスト)。同乗者はメインのキャビンへのオーディオの共有(キャスト)ができます。
  4. マルチディスプレイの音声ミラーリング同乗者は異なるオーディオ ヘッドセットを使用して、同時に同じ音声を聞くことができます。

同時メディア セッション

  1. AAOS の単一インスタンスでのユーザーごとの同時メディア セッションのサポートを追加しました。

電源

  1. 電源ポリシーのカスタム電源コンポーネント。現在の電源ポリシーは定義済みの 16 の電源コンポーネントをサポートしています。OEM は OEM コンポーネントの電源状態を更新する際に、コンポーネントを除外できます。
  2. パフォーマンス改善による suspend-to-disk の最適化。
  3. リモート アクセス。Android を外部リクエストによりリモートで起動し、リモート リクエスト完了時にシャットダウンする機能を有効にしました。詳細は、リモート アクセスをセットアップするをご覧ください。

パフォーマンス

  1. 軽量なシステムの健全性プロファイリング。軽量なシステムの健全性ツールを導入しました。出力は bugreport 経由で収集され、システム パフォーマンスの概要を適切に把握できます。

CarPropertyManager の改善

  1. CarPropertyManager スタックと CarPropertyService スタックを改善しました。新規の API を CarPropertyManager に追加して車のサービスの偽の VHAL モードをサポートし、CarPropertyManager に非同期でのプロパティの取得と設定に加え、カスタムのベンター エラーコードを追加しました。

カメラ

  1. EVS フレーム バッファ メタデータ。CarEvsBufferDescriptor によりフレーム メタデータが Android クライアントで利用できます。

センサー、位置情報、VHAL プロパティ

VHAL プロパティの詳細は、サポートされているシステム プロパティをご覧ください。

  1. 次の ADAS 以外の車両プロパティを VHAL に追加しました。
    1. 外部プロパティ。ウィンドウ プロパティ、ミラー プロパティ、ドアプロパティを追加しました。
    2. 内部プロパティ。ハンドル、グローブ ボックス、座席のプロパティを追加しました。
    3. 電気自動車プロパティ。ブレーキ、アクセル、バッテリーの EV プロパティを追加しました。
    4. その他のプロパティ。エンジンのアイドリングのプロパティを追加しました。
    5. 破損している車両プロパティの更新バージョン。次の VHAL プロパティを更新または修正しました。
      プロパティ 説明
      SEAT_HEADREST_HEIGHT_POS_V2 この seat の新しいエリアタイプを追加しました。
  2. 新しい ADAS 関連の車両プロパティを追加し、OEM が有効ステータスとシステム状態を表せるようにしました。詳しくは、ADAS 車両のプロパティをご覧ください。
    プロパティ 説明
    自動緊急ブレーキ(AEB) このプロパティにより、OEM は標準化されたインターフェースで、車両が衝突の可能性を検出し、衝突を避けるために自発的にブレーキを有効にしてそれに対応した場合などに、AEB システム有効化とシステム状態を IVI と共有できます。
    前方衝突警告(FCW) このプロパティにより、OEM は標準化されたインターフェースで、FCW システムが前方の障害物との衝突の可能性を検出し、視覚、聴覚、触覚でのアラートを生成した場合などに、FCW システム有効化とシステム状態を IVI と共有できます。
    ブラインド スポット警告(BSW) このプロパティにより、OEM は標準化されたインターフェースで、ドライバーのブラインド スポットに障害物が検出され、BSW システムが視覚または聴覚で合流または車線の変更は安全でないという警告を生成した場合などに、BSW システム有効化とシステム状態を IVI と共有できます。
    車線逸脱警告(LDW) このプロパティにより、OEM は標準化されたインターフェースで、車両が車線に近づいているまたは車線を越えているために、LDW システムが視覚、聴覚、触覚での警告を生成した場合などに、LDW システム有効化とシステム状態を IVI と共有できます。
    車線逸脱防止支援(LKA) このプロパティにより、OEM は標準化されたインターフェースで、意図せず車両が車線からはみ出すことがないように、LKA システムが自発的にハンドル操作を修正した場合などに、LKA システム有効化とシステム状態を IVI と共有できます。
    車線維持支援(LCA) このプロパティにより、OEM は標準化されたインターフェースで、車両が車線の中央を走行するように自発的にハンドルを制御する LCA システムをドライバーが有効にした場合などに、LCA システム有効化とシステム状態を IVI と共有できます。
    緊急車線逸脱防止支援(E-LKA) このプロパティにより、OEM は標準化されたインターフェースで、追い越しまたは車線変更時にドライバーのブラインド スポットでの衝突または対向車線からの車を避けるために、E-LKA システムが現在の車線を維持するように自発的にハンドル操作を修正した場合などに、E-LKA システム有効化とシステム状態を IVI と共有できます。
    アダプティブ クルーズ コントロール(ACC) このプロパティにより、OEM は標準化されたインターフェースで、前方車両との安全な車間距離を維持するように自発的に車両の速度を調整する ACC システムをドライバーが有効にした場合などに、ACC システム有効化とシステム状態を IVI と共有できます。
    ハンズオフ検知(HOD) このプロパティにより、OEM は標準化されたインターフェースで、HOD システムがハンドルに手が置かれていないことを検知して、視覚、聴覚、触覚での警告を生成した場合などに、HOD システム有効化とシステム状態を IVI と共有できます。
  3. 同時マルチユーザーの位置情報:
    1. 各ディスプレイのユーザーが個別に位置情報へのアクセスを制御できます。
    2. 運転支援システムのスイッチはドライバーのみに限定されます。

同時マルチユーザー システム リファレンス

詳しくは、Android Automotive の複数ディスプレイでのマルチユーザーをご覧ください。

  1. 同乗者リファレンス ランチャーと最近使ったアプリ。

システム UI とコアアプリの改善点

  1. システム UI の更新:
    1. ヘッドアップ通知(HUN)のスロットリングとサプレッション。HUN の重複を防止し、不適切なタイミングに HUN がドライバーに送信されないようにする、OEM による設定が可能なメカニズムを開発しました。
    2. クイック操作。アプリがクイック操作を表示できる機能を追加しました。
      1. アプリの停止。クイック操作からアプリを停止できるアフォーダンスを追加しました。
  2. コアシステム アプリの更新:
    1. アプリ ランチャーのパーソナライズ。ユーザーがランチャー内のアプリの配置を変更できる機能を追加しました。
    2. 反応しないアプリの管理。
    3. IVI リセット。ユーザーが [設定] からインフォテインメント システムを再起動できる機能を追加しました。
    4. 没入モードでのプライバシー チップを追加しました。
  3. 自動車のインフォテインメント システムの参照設計を共有しました。

AAOS ベースライン

  1. Android Automotive OS の主要なパーティション(systemsystem_extproduct)の共通点を定義しました。

準拠性テスト

Android 準拠性テストが内部参照ハードウェアで実行されています。このリリースで実行されたテストスイートには CTS、STS、VTS、CTS-on-GSI が含まれます。Android UDC は準拠性テストスイートを完全に合格し、Android プラットフォームで必要な修正はありません。