Android のセキュリティに関する公開情報 - 2017 年 11 月

2017 年 11 月 6 日公開 | 2017 年 11 月 8 日更新

Android のセキュリティに関する公開情報には、Android 搭載端末に影響を与えるセキュリティの脆弱性の詳細を掲載しています。セキュリティ パッチレベル 2017-11-06 以降では、下記のすべての問題に対処しています。端末のセキュリティ パッチレベルを確認する方法については、Android のバージョンを確認して更新するをご覧ください。

Android パートナーには、2017-11-01 および 2017-11-05 パッチレベルに含まれるすべての問題について、公開の 1 か月前までに通知済みです。Android パートナーには、2017-11-06 パッチレベルに含まれるすべての問題について、過去 1 か月以内に通知済みです。Android オープンソース プロジェクト(AOSP)のレポジトリに、各問題に対するソースコード パッチをリリースしており、この公開情報にパッチへのリンクを掲載しています。この公開情報には AOSP 以外のパッチへのリンクも掲載しています。

下記の問題のうち最も重大度の高いものは、メディア フレームワークに重大なセキュリティの脆弱性があるため、離れた場所にいる攻撃者が特別に細工したファイルを使用して、特権プロセス内で任意のコードを実行するおそれがあることです。重大度の評価は、攻撃対象の端末でその脆弱性が悪用された場合の影響に基づくもので、プラットフォームやサービスでのリスク軽減策が開発目的または不正な回避により無効となっていることを前提としています。

この新たに報告された問題によって実際のユーザー端末が不正使用された報告はありません。Android セキュリティ プラットフォームの保護や Google Play プロテクトについて詳しくは、Android と Google Play プロテクトのリスク軽減策をご覧ください。こうした保護により、Android プラットフォームのセキュリティが改善されます。

注: 最新の無線(OTA)アップデートと Google 端末のファームウェア イメージについての情報は、2017 年 11 月の Pixel / Nexus のセキュリティに関する公開情報でご覧いただけます。

お知らせ

  • 新たに Pixel / Nexus のセキュリティに関する公開情報の提供を開始しました。この公開情報には、サポート対象の Pixel 端末と Nexus 端末で対処されているその他のセキュリティの脆弱性や機能強化についての情報を掲載しています。Android 搭載端末メーカーは、自社の端末でそうした問題に対処することができます。詳しくは、一般的な質問と回答をご覧ください。
  • KRACK 脆弱性に対するセキュリティ パッチは、2017-11-06 セキュリティ パッチレベルで提供されます。

Android と Google サービスでのリスク軽減策

ここでは、Android セキュリティ プラットフォームの保護と Google Play プロテクトのようなサービスの保護によるリスクの軽減について概説します。こうした機能は、Android でセキュリティの脆弱性が悪用される可能性を減らします。

  • Android プラットフォームの最新版での機能強化により、Android にある多くの問題の悪用が困難になります。Google では、すべてのユーザーに対し、できる限り最新バージョンの Android に更新することをおすすめしています。
  • Android セキュリティ チームは、Google Play プロテクトによって脆弱性の悪用を積極的に監視しており、有害なおそれのあるアプリについてユーザーに警告しています。Google Play プロテクトは、Google モバイル サービスを搭載した端末ではデフォルトで有効になっており、Google Play 以外からアプリをインストールするユーザーにとっては特に重要です。

セキュリティ パッチレベル 2017-11-01 の脆弱性の詳細

パッチレベル 2017-11-01 に該当するセキュリティ脆弱性の各項目について、下記に詳細を説明します。脆弱性は、影響を受けるコンポーネントごとに分類しています。問題の内容について説明し、CVE、関連する参照先、脆弱性の種類重大度、更新対象の AOSP バージョン(該当する場合)を表にまとめています。該当する場合は、バグ ID の欄に、その問題に対処した一般公開されている変更(AOSP の変更の一覧など)へのリンクがあります。複数の変更が同じバグに関係する場合は、バグ ID の後に続く番号で、追加の参照先へのリンクを示します。

フレームワーク

フレームワークの最も重大な脆弱性は、悪意のあるローカルアプリによって、追加アクセス権限の取得に必要なユーザー操作要件が回避されるおそれがあることです。

CVE 参照 タイプ 重大度 更新対象の AOSP バージョン
CVE-2017-0830 A-62623498 EoP 6.0、6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0
CVE-2017-0831 A-37442941 [2] EoP 8.0

メディア フレームワーク

メディア フレームワークの最も重大な脆弱性は、離れた場所にいる攻撃者が特別に細工したファイルを使用して、特権プロセス内で任意のコードを実行するおそれがあることです。

CVE 参照 タイプ 重大度 更新対象の AOSP バージョン
CVE-2017-0832 A-62887820 RCE 重大 6.0、6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0
CVE-2017-0833 A-62896384 RCE 重大 6.0、6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0
CVE-2017-0834 A-63125953 RCE 重大 6.0、6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0
CVE-2017-0835 A-63316832 RCE 重大 6.0、6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0
CVE-2017-0836 A-64893226 RCE 重大 5.0.2、5.1.1、6.0、6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0
CVE-2017-0839 A-64478003 ID 5.0.2、5.1.1、6.0、6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0
CVE-2017-0840 A-62948670 ID 5.0.2、5.1.1、6.0、6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0

システム

システムの最も重大な脆弱性は、離れた場所にいる攻撃者が特別に細工したファイルを使用して、特権プロセス内で任意のコードを実行するおそれがあることです。

CVE 参照 タイプ 重大度 更新対象の AOSP バージョン
CVE-2017-0841 A-37723026 RCE 重大 5.0.2、5.1.1、6.0、6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0
CVE-2017-0842 A-37502513 EoP 6.0、6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0

セキュリティ パッチレベル 2017-11-05 の脆弱性の詳細

パッチレベル 2017-11-05 に該当するセキュリティ脆弱性の各項目について、下記に詳細を説明します。影響を受けるコンポーネントごとに脆弱性を分類し、CVE、関連する参照先、脆弱性の種類重大度、コンポーネント(該当する場合)、更新対象の AOSP バージョン(該当する場合)などの詳細を記載しています。該当する場合は、バグ ID の欄に、その問題に対処した一般公開されている変更(AOSP の変更の一覧など)へのリンクがあります。複数の変更が同じバグに関係する場合は、バグ ID の後に続く番号で、追加の参照先へのリンクを示します。

カーネル コンポーネント

カーネル コンポーネントの最も重大な脆弱性は、悪意のあるローカルアプリによって特権プロセス内で任意のコードが実行されるおそれがあることです。

CVE 参照 タイプ 重大度 コンポーネント
CVE-2017-9077 A-62265013
アップストリーム カーネル
EoP ネットワーク サブシステム
CVE-2017-7541 A-64258073
アップストリーム カーネル
EoP WLAN

MediaTek コンポーネント

MediaTek コンポーネントの最も重大な脆弱性は、悪意のあるローカルアプリによって特権プロセス内で任意のコードが実行されるおそれがあることです。

CVE 参照 タイプ 重大度 コンポーネント
CVE-2017-0843 A-62670819*
M-ALPS03361488
EoP CCCI

NVIDIA コンポーネント

NVIDIA コンポーネントの最も重大な脆弱性は、悪意のあるローカルアプリによって特権プロセス内で任意のコードが実行されるおそれがあることです。

CVE 参照 タイプ 重大度 コンポーネント
CVE-2017-6264 A-34705430*
N-CVE-2017-6264
EoP GPU ドライバ

Qualcomm コンポーネント

Qualcomm コンポーネントの最も重大な脆弱性は、離れた場所にいる攻撃者が特別に細工したファイルを使用して、特権プロセス内で任意のコードを実行するおそれがあることです。

CVE 参照 タイプ 重大度 コンポーネント
CVE-2017-11013 A-64453535
QC-CR#2058261 [2]
RCE 重大 WLAN
CVE-2017-11015 A-64438728
QC-CR#2060959 [2]
RCE 重大 WLAN
CVE-2017-11014 A-64438727
QC-CR#2060959
RCE 重大 WLAN
CVE-2017-11092 A-62949902*
QC-CR#2077454
EoP GPU ドライバ
CVE-2017-9690 A-36575870*
QC-CR#2045285
EoP QBT1000 ドライバ
CVE-2017-11017 A-64453575
QC-CR#2055629
EoP Linux ブート
CVE-2017-11028 A-64453533
QC-CR#2008683 [2]
ID カメラ

セキュリティ パッチレベル 2017-11-06 の脆弱性の詳細

パッチレベル 2017-11-06 に該当するセキュリティ脆弱性の各項目について、下記に詳細を説明します。影響を受けるコンポーネントごとに脆弱性を分類し、CVE、関連する参照先、脆弱性の種類重大度、コンポーネント(該当する場合)、更新対象の AOSP バージョン(該当する場合)などの詳細を記載しています。該当する場合は、バグ ID の欄に、その問題に対処した一般公開されている変更(AOSP の変更の一覧など)へのリンクがあります。複数の変更が同じバグに関係する場合は、バグ ID の後に続く番号で、追加の参照先へのリンクを示します。

システム

システムの最も重大な脆弱性は、近くにいる攻撃者によって、保護されていない Wi-Fi ネットワークに接続する前のユーザー操作要件が回避されるおそれがあることです。

CVE 参照 タイプ 重大度 更新対象の AOSP バージョン
CVE-2017-13077 A-67737262 EoP 5.0.2、5.1.1、6.0、6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0
CVE-2017-13078 A-67737262 EoP 5.0.2、5.1.1、6.0、6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0
CVE-2017-13079 A-67737262 EoP 5.0.2、5.1.1、6.0、6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0
CVE-2017-13080 A-67737262 EoP 5.0.2、5.1.1、6.0、6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0
CVE-2017-13081 A-67737262 EoP 5.0.2、5.1.1、6.0、6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0
CVE-2017-13082 A-67737262 EoP 7.0、7.1.1、7.1.2、8.0
CVE-2017-13086 A-67737262 EoP 5.0.2、5.1.1、6.0、6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0
CVE-2017-13087 A-67737262 EoP 5.0.2、5.1.1、6.0、6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0
CVE-2017-13088 A-67737262 EoP 5.0.2、5.1.1、6.0、6.0.1、7.0、7.1.1、7.1.2、8.0

: 該当する場合、Android パートナーはチップセットのメーカーからの修正の入手も必要な場合があります。

一般的な質問と回答

上記の公開情報に対する一般的な質問について、以下で回答します。

1. 上記の問題に対処するように端末が更新されているかどうかを確かめるには、どうすればよいですか?

端末のセキュリティ パッチレベルを確認する方法については、Android のバージョンを確認して更新するをご覧ください。

  • セキュリティ パッチレベル 2017-11-01 以降では、セキュリティ パッチレベル 2017-11-01 に関連するすべての問題に対処しています。
  • セキュリティ パッチレベル 2017-11-05 以降では、セキュリティ パッチレベル 2017-11-05、およびそれ以前のすべてのパッチレベルに関連するすべての問題に対処しています。
  • セキュリティ パッチレベル 2017-11-06 以降では、セキュリティ パッチレベル 2017-11-06、およびそれ以前のすべてのパッチレベルに関連するすべての問題に対処しています。

このアップデートを組み込んだ端末メーカーは、パッチレベル文字列を以下に設定する必要があります。

  • [ro.build.version.security_patch]:[2017-11-01]
  • [ro.build.version.security_patch]:[2017-11-05]
  • [ro.build.version.security_patch]:[2017-11-06]

2. この公開情報に 3 つのセキュリティ パッチレベルがあるのはなぜですか?

この公開情報では、3 つのセキュリティ パッチレベルを定義しています。これは、すべての Android 搭載端末で同様の問題が発生する一部の脆弱性をサブセットとし、Android パートナーが迅速かつ柔軟に修正できるようにするためです。Android パートナーには、この公開情報に掲載されている問題をすべて修正し、最新のセキュリティ パッチレベルを使用することが推奨されています。

  • セキュリティ パッチレベル 2017-11-01 を使用する端末には、そのセキュリティ パッチレベルに関連するすべての問題と、それ以前のセキュリティに関する公開情報で報告されたすべての問題の修正を組み込む必要があります。
  • セキュリティ パッチレベル 2017-11-05 を使用する端末には、そのセキュリティ パッチレベルおよびセキュリティ パッチレベル 2017-11-01 に関連するすべての問題と、それ以前のセキュリティに関する公開情報で報告されたすべての問題の修正を組み込む必要があります。
  • 2017-11-06 以降のセキュリティ パッチレベルを使用する端末には、今回(およびそれ以前)のセキュリティに関する公開情報に掲載された、該当するすべてのパッチを組み込む必要があります。

パートナーには、対処するすべての問題の修正を 1 つのアップデートにまとめて提供することが推奨されています。

3. 「タイプ」列の項目はどういう意味ですか?

脆弱性の詳細の表で「タイプ」列に記載した項目は、セキュリティの脆弱性の分類を示しています。

略語 定義
RCE リモートコード実行
EoP 権限昇格
ID 情報開示
DoS サービス拒否
N/A 該当する分類なし

4. 「参照」列の項目はどういう意味ですか?

脆弱性の詳細の表で「参照」列に記載されている内容には、参照の値が属している組織を示した接頭辞が含まれている場合があります。

接頭辞 参照
A- Android バグ ID
QC- Qualcomm の参照番号
M- MediaTek の参照番号
N- NVIDIA の参照番号
B- Broadcom の参照番号

5. 「参照」列の Android バグ ID の横にある「*」はどういう意味ですか?

公開されていない問題には、「参照」列の Android バグ ID の横に「*」を付けています。この問題のアップデートは、通常、Google デベロッパー サイトから入手できる Nexus 端末用最新バイナリ ドライバに含まれています。

6. セキュリティの脆弱性が、この公開情報と端末やパートナーのセキュリティに関する公開情報(Pixel / Nexus のセキュリティに関する公開情報など)に分けられているのはなぜですか?

Android 搭載端末の最新のセキュリティ パッチレベルを宣言するためには、このセキュリティに関する公開情報に掲載されているセキュリティの脆弱性への対処が必要です。それ以外の、端末やパートナーのセキュリティに関する公開情報に掲載されているセキュリティの脆弱性への対処は必要ありません。SamsungLGE などの Android 搭載端末やチップセットのメーカーには、自社の端末に関して他にも修正がある場合は、自社のセキュリティ関連のウェブサイトや Pixel / Nexus のセキュリティに関する公開情報にその情報を掲載することが推奨されています。

バージョン

バージョン 日付 メモ
1.0 2017 年 11 月 6 日 情報公開
1.1 2017 年 11 月 8 日 公開情報を改訂し AOSP リンクを追加