ADAS 車両プロパティ

Android 14 に次の新しい ADAS プロパティを追加しました。

これらの新しい機能を次の図に示します。

サポートされている ADAS 機能

図 1. サポートされている ADAS 機能。

プロパティのリスト

これらの新しい機能をサポートするために、Android 14 にプロパティのリストが追加されます。該当するプロパティを以下に示します。

プロパティ
ADAPTIVE_CRUISE_CONTROL_TARGET_TIME_GAP
ADAPTIVE_CRUISE_CONTROL_LEAD_VEHICLE_DISTANCE

AUTOMATIC_EMERGENCY_BRAKING_ENABLED
AUTOMATIC_EMERGENCY_BRAKING_STATE

BLIND_SPOT_WARNING_ENABLED
BLIND_SPOT_WARNING_STATE

CRUISE_CONTROL_ENABLED
CRUISE_CONTROL_TYPE
CRUISE_CONTROL_STATE
CRUISE_CONTROL_COMMAND
CRUISE_CONTROL_TARGET_SPEED

EMERGENCY_LANE_KEEP_ASSIST_ENABLED
EMERGENCY_LANE_KEEP_ASSIST_STATE
FORWARD_COLLISION_WARNING_ENABLED
FORWARD_COLLISION_WARNING_STATE

HANDS_ON_DETECTION_ENABLED
HANDS_ON_DETECTION_DRIVER_STATE
HANDS_ON_DETECTION_WARNING

LANE_DEPARTURE_WARNING_ENABLED
LANE_DEPARTURE_WARNING_STATE

LANE_KEEP_ASSIST_ENABLED
LANE_KEEP_ASSIST_STATE

LANE_CENTERING_ASSIST_ENABLED
LANE_CENTERING_ASSIST_COMMAND
LANE_CENTERING_ASSIST_STATE

デザインのテーマ

次のデザインのテーマが新しく追加されたプロパティに適用されます。

プロパティ 説明
ENABLED
  • 機能が有効 / 無効になっているかを示すプロパティ。
  • true が有効で false が無効の Boolean プロパティ。
  • Read-only として実装できる Read および Write プロパティ。
STATE
  • 事前定義された状態のリストから機能状態を伝えるプロパティ。
  • 定義列挙型を使用した Int32 プロパティ。
  • 下位互換性をサポートするための OTHER フィールド。
  • Read-only プロパティ。
  • Mirror または Global エリアタイプ。
  • ErrorStates.aidl で定義された値を使用します。
  • AreaIdConfig.javagetSupportedEnumValues() API を使用します。
その他
  • ユーザー入力が必要な際の機能の COMMAND プロパティ。
  • 状態が個別に提示される可能性がある場合の WARNING プロパティ。
  • サポートに対応するためのその他のプロパティ。
    • 機能バリエーション(該当する場合)。
    • 調整機能設定(該当する場合)。

状態図の例

このセクションでは、サポートされる ADAS 機能のサブセットの状態図を示し、含まれるプロパティがどのように連動するかを説明します。次の機能の例を示します。

  • 自動緊急ブレーキ(AEB)
  • 車線維持支援(LCA)
  • ハンズオン検出(HOD)

自動緊急ブレーキ

この表で説明するように、AEB では 2 つのプロパティが定義されています。

プロパティ
AUTOMATIC_EMERGENCY_BRAKING_ENABLED VehiclePropertyType:BOOLEAN

AUTOMATIC_EMERGENCY_BRAKING_STATE

AutomaticEmergencyBrakingState.aidl での定義

VehiclePropertyType:INT32

  • OTHER
  • ENABLED
  • ACTIVATED
  • USER_OVERRIDE
  • ErrorState
  • 次の AEB の状態図のサンプルには、AutomaticEmergencyBrakingState.aidl で定義されているサポート状態が含まれています。

    AutomaticEmergencyBrakingState.aidl で定義されている AEB 状態。

    図 2. AutomaticEmergencyBrakingState.aidl で定義されている AEB 状態。

    この図は、USER_OVERRIDE 状態がサポートされていない場合の AEB の例を示しています。サポート状態は、AreaIdConfig.javagetSupportedEnumValues() API を介して指定する必要があります。

    ユーザー オーバーライド状態がサポートされていない場合の AEB

    図 3. USER_OVERRIDE 状態がサポートされていない場合の AEB。

    図 4 で示す AEB の例では、AEB が使用できなくなるエラーがハイライト表示されています。こちらは、ErrorState.aidl で定義された値を使用する方法を示しています。これらのエラーでは CarPropertyManager によって例外がスローされることはなく、CarPropertyValue への他の変更と同じ方法でアプリと共有されます。

    AEB が使用できなくなるエラー

    図 4. AEB が使用できなくなるエラー。

    車線維持支援

    車線維持支援(LCA)は 3 つの関連する定義済みプロパティを提供します。

    プロパティ
    LANE_CENTERING_ASSIST_ENABLED VehiclePropertyType:BOOLEAN

    LANE_CENTERING_ASSIST_STATE

    LaneCenteringAssistState.aidl での定義

    VehiclePropertyType:INT32

    • OTHER
    • ENABLED
    • ACTIVATION_REQUESTED
    • ACTIVATED
    • USER_OVERRIDE
    • FORCED_DEACTIVATION_WARNING
    • ErrorState

    LANE_CENTERING_ASSIST_COMMAND

    LaneCenteringAssistCommand.aidl での定義

    VehiclePropertyType:INT32

    • ACTIVATE
    • DEACTIVATE

    次の状態図は、LaneCenteringAssistState.aidl のすべての定義済み状態がサポートされている場合の LCA を示しています。緑色の線は、LANE_CENTERING_ASSIST_COMMAND(実装されている場合)または車両の他のメカニズムから開始されるコマンドで、Android Automotive OS(AAOS)の状態変更を反映しています。

    LaneCenteringAssistState.aidl で定義されている LCA 状態

    図 5. LaneCenteringAssistState.aidl で定義されている LCA 状態。

    この LCA の例では、LCA が使用できなくなるエラーをハイライト表示しています。こちらは、ErrorState.aidl で定義されている値の使用方法を示しています。これらのエラーでは CarPropertyManager がエラーをスローすることはなく、CarPropertyValue の変更が共有される他の変更と同じ方法でアプリと共有されます。

     LCA が使用できなくなるエラー。

    図 6. LCA が使用できなくなるエラー。

    ハンズオン検出

    ハンズオン検出(HOD)向けに、これらの 3 つの関連プロパティが定義されています。

    プロパティ 説明
    HANDS_ON_DETECTION_ENABLED VehiclePropertyType:BOOLEAN

    HANDS_ON_DETECTION_STATE

    HandsOnDetectionDriverState.aidl での定義

    VehiclePropertyType:INT32

    • OTHER
    • HANDS_ON
    • HANDS_OFF
    • ErrorState

    HANDS_ON_DETECTION_WARNING

    HandsOnDetectionWarning.aidl での定義

    VehiclePropertyType:INT32

    • OTHER
    • NO_WARNING
    • WARNING
    • ErrorState

    以下に示すのは HOD の例です。HandsOnDetectionDriverState.aidl のすべての定義済み状態がサポートされています。

    HandsOnDetectionDriverState.aidl のすべての定義済み状態がサポートされている場合の HOD。

    図 7. HandsOnDetectionDriverState.aidl のすべての定義済み状態がサポートされている場合の HOD。

    HANDS_ON_DETECTION_STATE プロパティのほかに、HOD は別の警告プロパティ(HANDS_ON_DETECTION_WARNING)も提供しています。その HOD 警告値の状態図を図 8 に示します。

    HOD 警告値

    図 8. HandsOnDetectionWarning.aidl のすべての定義済みの値がサポートされている場合の HOD。