複数事業者ネットワークのサポート

Android 11 以上を搭載したデバイスは、複数の公衆陸上モバイル ネットワーク(PLMN)のサポートを提供できます。Android 11 に含まれるセル識別 API のメソッドは、セルでサポートされる PLMN に関する情報を取得して、セルのサービス プロバイダとネットワーク事業者を区別できます。

マルチ PLMN のサポートにより、モバイル ネットワーク事業者(MNO)は複数の ID をブロードキャストできる柔軟性を獲得できます。これは、主として共通のハードウェアまたはタワーを複数の MNO が使用する共有契約をサポートするために必要になります。マルチ PLMN のシナリオでは、デバイスは特定のタワーを使用する登録を選択するとき、その登録に使用する PLMN を選択します。これにより、その後のすべての通信でデバイスのプロファイルがその PLMN にロックされます。getRegisteredPlmn メソッドは、デバイスの登録済み PLMN を取得します。

実装

Android 11 以上を搭載したデバイスでマルチ PLMN をサポートするには、IRadio の次の場所に関数を実装します。

IRadio.hal と IRadioResponse.hal

Radio 1.5 HAL では、マルチ PLM をサポートするために、デバイスが登録されているネットワークに関する情報が以前のバージョンとは異なる方法で報告されます。まず、登録済みの PLMN(RPLMN)が個別に報告されます。これは、マルチ PLMN セルでは RPLMN がプライマリ PLMN-ID でない可能性があるためです。CellIdentity 構造で、セルはプライマリ PLMN-ID に加えて追加の PLMN-ID のリストを提供します。RPLMN は、プライマリ PLMN-ID か、CellIdentity 構造に示される追加の PLMN-ID の 1 つでなければなりません。

Radio 1.5 HAL の変更は、IRadio.hal の次の 2 つの HAL メソッド(および IRadioResponse.hal の対応するレスポンス メソッド)に影響します。

  • getDataRegState_1_5getDataRegStateResult_1_5(RegStateResult result)
  • getVoiceRegState_1_5getVoiceRegStateResult_1_5(RegStateresult result)

types.hal

types.hal に以下を実装します。

  • ClosedSubscriberGroupInfo: すべての CellIdentity インスタンスにオプションとして含まれています。この構造は、セルが属するクローズド サブスクライバ グループの詳細情報(存在する場合)を提供するために使用されます。通常は、個人向け LTE デバイスなどのスモールセルの識別に使用します。CBRS LTE などのデプロイメントでも使用できます。
  • CellIdentityLte: 追加の PLMN-ID のリストをサポートします。
  • CellIdentityWcdma: 追加の PLMN-ID のリストをサポートします。
  • CellIdentityTdscdma: 追加の PLMN-ID のリストをサポートします。
  • RegStateResult: 更新された CellIdentity 構造と、RPLMN を示すフィールドを含みます。

検証

実装をテストするには、複数事業者無線アクセス ネットワーク(MORAN)または複数事業者コア ネットワーク(MOCN)に登録されている場合に、CellInfoTest で CTS テストを行います。