このテストは、Android デバイスの MIDI 機能を検証するために行います。このテストで基準を満たすことは、MIDI 機能が正しく実装されていることを示すための前提条件です。
準備
ハードウェア
テストには次のハードウェアが必要です。
- USB コネクタを備えた MIDI キーボード
- Bluetooth Low Energy(BLE)対応 MIDI キーボード
- USB ケーブル
- メスの USB-A をオスのマイクロ USB または USB-C に変換する USB On-The-Go(OTG)アダプター
- Android 6.0(Marshmallow)以降を搭載する Android デバイス
- 任意: パソコン
USB と BLE-MIDI をサポートしている一部の MIDI キーボードでは、キーボード 1 台のみでテストを行うことができます。Akai LPK25 Wireless や Korg Microkey Air などのキーボードが該当します。
アプリ
このテスト手順では複数のアプリを使用します。アプリは GitHub プロジェクト android-midisuite のソースコードや、次の表にある Google Play™ のリンクから入手できます。
ソースコード | Google Play™ | 説明 |
---|---|---|
MidiScope または MidiScope | MIDI Scope | 画面に MIDI メッセージを表示します |
MidiKeyboard | MIDI Keyboard | オンスクリーン キーボードを押すと MIDI メッセージを送信します |
MidiSynthExample または MidiSynth |
MIDI Synth Ex | sawtooth オシレータを使用したシンプルな MIDI シンセサイザー |
MidiBtlePairing | MIDI BLE Connect | Android デバイスと BLE 周辺機器のペアリング設定を行います |
MidiTools | 各アプリのライブラリ依存関係 |
Google Play™ 経由でインストールせずソースコードから作成する場合は、まず、提供された Android.mk を使用してアプリをビルドします。次に、Android Debug Bridge(ADB)を使用してアプリをインストールします。たとえば、MidiScope アプリをインストールするには次の操作を行います。
- ADB がインストールされたワークステーションを使用します。
- ワークステーションの USB ケーブルを Android デバイスに接続します。
- Android デバイスで USB 接続の許可が必要な場合があります。詳しくは、USB 周辺機器モードをご覧ください。
- ワークステーションで次のように入力します。
cd THIS_FOLDER
adb install -r MidiScope.apk
仮想シンセのテスト
MIDI 入力ポートに接続できるのは 1 つのアプリのみです。そのため、別のアプリで入力ポートを使用している場合はそのポートを使用できません。入力ポートに接続できない場合は、他のアプリを閉じてください。
必要なハードウェア: テスト対象の Android デバイス
シンプルな接続
必要なアプリ: MidiKeyboard、MidiSynthExample
デバイスの列挙、仮想デバイス、ポート接続、メッセージ送信をテストします。
- Android デバイスの音量を半分ほどに調節します。
- スマートフォンを横表示にします。
- MidiKeyboard アプリを起動します。
- プルダウン メニューから [SynthExample] を選択します。
- キーボードで音階を演奏すると、その音階が SynthExample アプリから聞こえます。
- [Back] ボタンを押すとアプリが終了し、ポートが閉じます。
USB テスト: ホストモード
必要なハードウェア: USB MIDI キーボード、USB ケーブル、OTG アダプター
このテストを何度か繰り返します。デバイスの接続や取り外しを数回繰り返すと、一部のプロトタイプ デバイスで USB スタックがクラッシュするという事例が報告されています。
すでに接続されたキーボード
必要なアプリ: MidiSynthExample または MidiScope
ホストモードの USB MIDI をテストします。
- Android デバイスの音量を半分ほどに調節します。
- OTG アダプターを使用して USB キーボードを接続します。
- SynthExample アプリまたは MidiScope アプリを起動します。
- メニューから USB キーボードを選択します。ブランド名が表示されます。
- キーボードで音階を演奏します。SynthExample を実行すると、演奏した音階がスマートフォンから聞こえます。MidiScope を実行すると、画面に「NoteOn」と「NoteOff」というメッセージが表示されます。
- キーボードを外します。[Sender for Synth] メニューに [- - - - -] と表示されます。
- [Back] ボタンを押すと、アプリが終了します。
ホットプラグ USB キーボード
必要なアプリ: MidiSynthExample または MidiScope
ホストモードの USB MIDI をテストします。
- Android デバイスの音量を半分ほどに調節します。
- USB MIDI キーボードが接続されていないことを確認します。
- SynthExample アプリを起動します。
- 中央の [Sender for Synth] の横にあるメニューには、どの USB キーボードも表示されません。
- OTG アダプターを使用して USB キーボードを接続します。
- 中央の [Sender for Synth] の横に表示する USB キーボードを選択します。ブランド名が表示されます。
- キーボードで音階を演奏すると、その音階がスマートフォンから聞こえます。
- 中央の [Sender for Synth] の横にある [- - - - -] を選択します。
- キーボードで音階を演奏しても、音は聞こえません。
- 中央の [Sender for Synth] の横に表示する USB キーボードを選択します。ブランド名が表示されます。
- キーボードで音階を演奏すると、その音階がスマートフォンから聞こえます。
- シンセサイザーの接続を外します。[Sender for Synth] メニューに [- - - - -] と表示されます。
- [Back] ボタンを押すと、アプリが終了します。
USB テスト: 周辺機器モード
必要なハードウェア: USB ケーブル、OTG アダプター
Android から Android
必要なアプリ: テスト対象となる Android デバイス上の MidiKeyboard と、もう 1 台の Android デバイス上の MidiScope。
別の Android デバイスの周辺機器コントローラとして Android デバイスを使用します。このモードをテストするには、別の Android デバイスをホストモードにします。設定を変更すると、GarageBand などのデジタル オーディオ ワークステーション(DAW)ソフトウェアを実行しているデスクトップ パソコンからでもこのテストを実行できます。
- テスト対象の Android デバイス(Android デバイス A)に USB ケーブルを接続します。
- OTG アダプターを使用して、ケーブルのもう一方の端をホストモードで動作する 2 台目の Android デバイス(デバイス B)に接続します。
- Android デバイス A で次の操作を行います。
- 画面の上から下にスワイプします。
- USB for Charging アイコンを選択します。
- [MIDI] を選択します。
- MidiKeyboard アプリを起動します。
- [Receiver for Keys] メニューから [Android USB Peripheral Port] を選択します。
- Android デバイス B で次の操作を行います。
- MidiScope アプリを起動します。
- 他の Android デバイスをソースとして選択します。
- Android デバイス A で次の操作を行います。
- キーボードで音階を演奏し、Android デバイス B に「NoteOn」と「NoteOff」が表示されることを確認します。
BLE テスト
必要なハードウェア: BLE をサポートする MIDI キーボード
基本的なペアリング設定と再生
必要なアプリ: MidiBtlePairing、MidiSynthExample
BLE 経由で Android に接続したキーボードをテストします。
- Android デバイスを再起動します。
- BLE キーボードの電源を入れます。
(Miselu C.24 キーボードは、上部のボタンを押すと鍵盤がもちあがって電源が入ります。ペアリング モード時、C.24 の電源ボタンは青く点滅します) - MIDI+BLE のアイコンをタップして MidiBtlePairing アプリを起動します。
- [Bluetooth Scan] を押します。
- テストする BLE 周辺機器を選択します。
- アプリの画面がメインページに戻り、周辺機器が一覧で表示されます。C.24 を使用している場合は、C.24 のライトが緑色に変わり、ペアリング モードになったことを確認できます。
- [Back] ボタンではなく、[Home] ボタンを押してアプリを終了します。
- SynthExample アプリを起動します。
- 送信デバイスとして、メニューから BLE キーボードを選択します。
- BLE キーボードのキーを押すと、Android からその音階が聞こえます。